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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
1-5 赤き血潮の巨人
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ながら近づいていくブーメランはアロンの真下まで飛来し、そのまま急上昇する。
ザシュ!!と切り裂く音が鳴り響く。ブーメランが赤い巨人の方へ戻って行き、眼前に来たところで赤い巨人はそれをガシッと掴み、元通り頭に装着しなおした。
それと同時に、アロンの体は左右二つに綺麗にガバッと割れ、倒れた。
「や、やった…!?」
光武に乗っていたマリアやすみれ、地上から見ていた奏組、作戦司令室の巨大降魔は倒された光景に誰もが目を離せなかった。
やがて、赤い巨人は膝を付いて赤く発光した後、まるで最初からいなかったかのようにその姿を消した。
「消えた…?」
一体あの巨人はなんだったのだ?突然表れて、あの恐ろしい巨大降魔を打ち倒してしまうとは…。
「…今は、劇場にもどりましょう。すみれ。お互いに怪我が酷いし、光武も修繕が必要だわ」
「…わかりましたわ。これより帰還します」



「ちぃ、ここまで戦えるほどに力を取り戻していたのか…」
銀髪の男は、アロンが倒されて酷く悔しげに顔を歪ませた。
「ここは一旦引くか…だが!いずれ、貴様を倒し我が野望を成就してくれる…!」
彼は捨て台詞を吐き捨て、忍者の印のように手を合わせると、わずか一瞬の撃ちに、最初から影も形も無かったかのごとく姿を消したのだった。




赤い巨人が消え去ったと同時に、ジンは問屋街の建物壁影に背中を預けていた。
さっきのあれは、一体なんだったのだ?
確か自分は、すみれやマリアの光武があの降魔とか言う怪物に破壊されかけたとき、絶対に止めなければと思った。そう思ったら、体が急に熱く燃え上がるような感覚にとらわれて…。
気がついたら、意識が飛んで…。
「なんなんだ…僕は…さっきまで何を?」


ジンは、赤い巨人になったときの記憶がなかった。


だが、自分の体に張りめぐる異様な感覚だけは覚えていた。自分の体に、何かが起こったような感覚を。さっきまでの出来事に対してわけがわからず、頭の中がくしゃくしゃになって訳がわからなくなった。
「ジン君、ここにいたのね…もう!女の子を残して一人で出て行っちゃったらだめじゃない!」
すると、ジンを追って由里がようやく駆けつけてきた。
「それにしても、危ないところだったわね、マリアさんたち。でも、あの赤い巨人ってなんだったの?あの怪物の仲間じゃなかったみたいだったけど…」
しかし、背中を壁に預け、顔が蒼白になっているジンの姿を見て、彼女も異変に気づく。
「ちょっと、大丈夫?どこか痛むの?怪我したの?」
しかし、ジンは答えられなかった。突然の出来事の連続で彼の精神が追いつけなくなり、意識が朦朧として倒れてしまう。
「ジン君!?」
由里が自分の名前を呼ぶのを聞いたのを最後に、ジンは意識を手放した。

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