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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
1-4 変身
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「やめろおおおおおおおおおお!!」


マリアたちを救おうと、ジンは駆け出した。
無我夢中だった。自分でも訳がわからなくなるほどの叫び声をあげていた。


そのときだった。


彼の中に眠る、熱き衝動が…


彼をもう一つの姿へと変えていくのを。



ジンの目から渦を巻く金色の光がスパークし、頭上から銀のマスクが彼の顔を覆い始めた。


無我夢中で己の変化に気づかないまま、ジンは構うことなくアロンに拳を振りかざし、殴り飛ばした。

「グガアアアアアアアアア!!」

すみれ、マリア、奏組、大帝国劇場の作戦司令室の面々は驚きのまなざしで見た。
突如、町を包み込むほどの赤い光が立ち上り、それがアロンを突き飛ばしたのを。


赤い光の柱は、やがて…人の形を成した。


吊り上げられた金色の目、胸元を覆うプロテクター、そしてXともAとも見える白いライン、一部の黒い模様を持つ…。


熱く燃えるような、赤い血潮色の…巨人へ。


「な、なにあれ…!?」
「あれも、降魔なの…?」
椿やかすみは巨人を見て驚きの表情を浮かべたまま固まっていた。直接姿を変えた場面を映していたわけではなかったこともあり、ジンがあの巨人である事に気づいてはいなかった。
しかし、米田はモニターからその巨人を見て、表情を一変させた。
「んな…なんてこった…」
落胆しているように見える。一種の絶望ともとれる表情だった。
(また、その姿になっちまったのか……!)
米田は膝を突いて、崩れ落ちた。
「ジン…」
モニターに映された赤い巨人の正体を、米田は呟いた。


赤い巨人へ姿を変えたジンの姿を、見たものはさらにもう一人いた。アロンを呼び出した、あの銀髪の男である。
「おのれ…やはり生きていたのか…」
赤い巨人を見て、男は忌々しげにその名を呟いた。


「『           』…ッ!!」

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