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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
1-4 変身
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か?



不思議なことに、ジンは今の感覚に懐かしさを覚えていた。
この強大な怪物と、正面から向かい合っている今の状況に。




アロンは男の命令に従い、付近の瓦礫の傍らに落下していたジンを睨みつけた。
「まずい!!」
マリアが、怪物がジンに狙いを定めたことを察知、銃を構え、アロンに向けて発射する。
連射される彼女の弾丸は敵が巨体という事もあってか、全てアロンに直撃した。
彼女に続いてすみれも長刀を構え、アロンに接近、高く飛び上がった。
「でえええええい!!」
すみれ機は10mを超えるほど飛び上がっていた。頭上から振りかざされた長刀は、まるで孫悟空の如意棒のように伸びているようにも錯覚して見えた。力いっぱい振り下ろすすみれ。長刀の刀身には強い光が灯っていた。
振り下ろされた刃は、ザシュ!と尾をと立てながらアロンの左腕を切りつけた。
「ふ、いかがだったかし…ら…」
深い手ごたえを感じ、先ほどの戦慄を忘れしてやったりと笑みを浮かべたすみれ。
確かにダメージは入っていた。

しかし…それだけだった。

「グルオオオオオオオ!!!」

「ッ!?」
すみれの一撃もらった痛みで、アロンは怒りの雄たけびを上げる。呆気にとられるすみれはその場で固まってしまった。
「すみれ、避けなさ…!!」
マリアが直ちにすみれに逃げるよう呼びかけたが、間に合わなかった。アロンの振りかざした腕が、すみれ機を殴り飛ばした。
「すみれ!!」
叫ぶマリア。一方ですみれは悲鳴さえ上げることも許されなかった。たった一発腕で払い飛ばされただけで、すみれ機は建物を突き破りながら何十メートルも離れた場所まで飛ばされ、ガシャンと音を立て、停止した。同時に煙が、停止したすみれ機から立ち上った。
「すみれ、応答して!すみれ!」
今の一撃は、あまりにやばすぎる。最悪の状況さえも考えてしまえるほどの一撃だった。マリアは直ちに通信を試みるも、応答はない。嫌な予感がマリアの脳裏を過ぎった。
一方のすみれは、光武の中で頭から血を流していた。機体内部にはショックを吸収する素材が組み込まれていたおかげか、致命傷には至らなかったようだ。だが、すみれの体にはアロンから受けた攻撃の衝撃はあまりに激痛だった。
「ぐ、う……」
私としたことが、たった一撃の攻撃で…。すみれは悔しげに顔を歪ませたが、そんな暇は与えられなかった。
モニターに、巨大な目がすみれの顔を覗き込むように見ていた。
「き、きゃあああああああ!!」
今までにないほどの恐怖と覚え、すみれは悲鳴を上げた。
すでにこのとき、アロンはすみれの光武の眼前にまで迫っていたのだ。いつでも、彼女を光武もろとも飲み込んでしまうことができた。
『すみれ!!逃げなさい!!』
『すみれさん、危険です!今すぐ脱
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