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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
1-4 変身
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にはわからなかった。
戦場で楽器を扱うその戦闘スタイルには目を疑ったが、それでもこの怪物に痛手を味あわせることはできるだけの力を持っている。
(どうする…どうすればいい…?)

と、そのときだった。

「そこまでよ!!」

凛とした掛け声と共に、突如どこからか、二機の人型機械兵器が姿を現した。
この機体こそ、魔と戦うために開発された帝国華撃団の秘密兵器『光武』である。

「「帝国華撃団・花組、参上!!」」

(え…今の声、まさか…)
現れた人型兵器を見て、ジンは目を見開いた。今の声には聞き覚えがある。

銃を持つ黒の機体と長刀を持つ紫の機械兵器。
その搭乗者は、前者がマリア、後者がすみれだったのだ。

「ど、どうして彼がここにおりますの!?」
一方で、この場にどうして、ジンまでいるのか理解できず、すみれも思わず声を荒げた。てっきり避難していたと考えていたのだろう。それに彼と付き添いになっていたはずの由里も見当たらない。
「…すみれ、今は目の前の敵に集中しましょう。
奏組の皆さん、ここは私たちに任せて、避難を」
「…すみません、後を頼みます」
赤い髪の青年が、マリアの言葉を聞きいれ、仲間たちを連れてこの場を離れてようとするが、足に激痛を覚え、膝を付いた。
「肩を貸します」
「すみません…」
ジンの肩を借りる事で、ルイスも避難した。

奏組たちの避難を見届けたところで、すみれが己の機体の腕に握らせた長刀を振り回しながら、目の前にいる降魔を睨みつけた。
「この街で好き勝手してくれましたわね。この長刀の錆にして差し上げますわ!」
「すみれ、私が援護するわ。あなたは前を」
「承知しましてよ!」
早速マリア機の銃から、強力な弾丸が発射される。その一発は、先ほどの奏組の比ではなかった。今の一発だけで、降魔はダウンした。
しかし対する降魔も、せっかくの獲物を取り逃がした怒りによってか、マリア機を睨みつけた。血に飢えた咆哮を上げ、襲い来るが、マリア機がとっさに下がる。其れと同時に、彼女と入れ替わるように、すみれ機が長刀を振りかざして出現、頭上からの一太刀の元、降魔の腕を切り落とした。
腕を失った降魔はもだえ苦しみだした。


「ほう……」
二人の戦いを、あの銀髪の怪しげな男も先ほどと同様に屋根の上から見届けていた。
「何かと思えば…となると、こいつを作らせたのは…『奴』か」
くく、と男は笑みを浮かべた。
「思ったよりはやるようだが、たかが一匹倒したところで流れは止まらん。それは貴様とてわかっているはずだよな?よ…」
と、何かを言いかけたとき、ちらと男はある場所に視線を向けた。
すると、突然彼の余裕をこいた表情が一変した。
「な、何…!!?」
その視線の先にいたのは、ただ一人の…青年。

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