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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
1-4 変身
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い青年たちが傷つき倒れていた。
先ほど話にもあった、『帝国華撃団・奏組』の隊員たちである。

ある店の屋根の上から、怪しげな雰囲気を纏う銀髪の男が、荒れていく街と、降魔にまったく歯が立たない奏組の5人を見下ろしていた。
「ふふふ…無駄だ。貴様ら程度の『霊力』では、その降魔には敵うはずもない」
奏組の隊員たちをまるで虫けらのごとく見下すその目はあまりにも冷たく非情だった。

「くそ…」
銀髪のクールな雰囲気を纏う青年が、忌々しげに目の前にいる降魔を睨みつけた。
「グルルルル…」
「んの野郎!ヒューゴから離れろ!!」
すると、少しやんちゃさを残したような少年が、手に持っていた武器…いや、楽器を手に取った。それも、楽団を干渉する際は必ず見かけるといえるトランペット。彼は吹き口に口を添え音を鳴らす。
そこから放たれたのは、ただの音ではなかった。
強烈な、不思議な力を纏った音だった。その音が、降魔にぶつかった途端、降魔の体に火花が走った。しかし、それだけだった。降魔は体表に傷こそ負っていた様子だが、致命傷にはまるで至っていない。それと同時に少年はその場で膝を突いた。
「ちくしょう…俺の霊力じゃ、無理だってのか…」
「兄さん!」「源二!」
少年の名を呼びかける他の3人のうち、源二と呼ばれた少年に似た風貌の少年と、眼鏡をかけた青年の二人が助け出そうと飛び出す。
「いけません!無理に飛び出せば!」
最後の、赤い髪の青年が警告を入れたときには遅かった。
降魔の口には、怪しい光がともっていた。二人の接近に気が付く、降魔の口から怪光線が放たれ、奏組たちを吹き飛ばす。
「うわあああああ!!!」
吹き飛ばされた5人だが、激しいダメージこそ負っていたが、無事だった。だがもう、すでに限界に達していた。
しかし、降魔は情けを見せない。倒れた隊員の一人、赤い髪の青年の前に降り立つ。
「ルイス!」
赤い髪の青年を呼ぶ声が聞こえる。対して、ルイスと呼ばれたその青年は、自分の眼前に現れた降魔に、反撃する気力さえ起こせなかった。
「く…」

もう終わりか、と思ったときだった。

ルイスは、自分の体が浮いたような感覚を覚えた。いや、誰かが自分をとっさに抱きかかえたのだ。
目を開けると、自分と同じか少し年下に見える、日本人顔の若い青年だった。
その男は、ジンだった。
「大丈夫ですか!?」
ルイスに声をかけるジン。
「え、あ…はい。助かりました…」
「い、一般人がなんで…!?」
「まだ避難が完了していなかったのか?俺としたことが、見落としていたか…」
思わぬ乱入者に、ルイスも含め、奏組の全員が唖然とした。
キッと、ジンはルイスを喰らおうとした降魔を睨みつけた。
来たのはいい。そして一人、殺されかけた人を助け出せたのはいいが、ジン
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