暁 〜小説投稿サイト〜
DQ5〜友と絆と男と女  (リュカ伝その1)
13.将来を真剣に悩むと不安になる。楽観視すると失敗する。どうすればいいの?
[1/4]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
<セントベレス山−山頂大神殿建設地>

目の前で父を殺され、自由を奪われ早10年。
奴隷へと身を落とされ、10年間過酷な労働を強いられた俺は今日も鞭で打たれている。

(ビシッ!)
「歌ぁ、歌ってねぇーで働け。ボケェ!」
「いたっ!いたいッスよ!旦那ぁ〜」
「てめーは目を離すとすぐサボる!いい加減にしろ!」
そう怒鳴り散らし獄卒は巡回を再開させた。

うむ?今日も怒られてしまった。
何だ?
選曲が悪かったのかな?
『それが大事』は、場の雰囲気に合っていると思ったのだが?
今度は『ガッツだぜ!』にしよう。

「お前は相変わらずだな」
振り向くとヘンリーがそこにいる。
「ヘンリーこそ、またサボってんのかよ」
「俺のは『ちょっと、一休憩』だから」
「随分長い『ちょっと』だな…何でサボってるヘンリーは怒られなくて、頑張っている僕ばかり怒られるんだ!?」
「…お前、歌ってるからだらろ」
「みんなの心に活力を与える為に、頑張って歌ってるのにぃ〜!」
「………」

翌日早朝、タコ部屋(奴隷達が食事と睡眠をする部屋)に新人がやって来た。
かなりの美人!
これは仲良くなるしかないね!
「やぁ!お嬢さん。僕はリュ(ドカ!)カはぁ〜………」
ヘンリーにドロップキックをされた。

「お前はマリアさんに近づくな!」
へー、彼女マリアさんって言うのかー…じゃなくって!
「何すんのヘンリー!」
「お前はマリアさんに近づくなと言っている。彼女が汚れる!」
何かひどい事言われている気がする。
「そんなヘマはしないよ!それに今まで全部ヘンリーが邪魔してきたじゃないか!」
「当たり前だ馬鹿!もし彼女が身籠もりでもしたらどうする!ここでは身籠もった女は殺されるんだ!」
そう…妊娠した女性は働き手として役に立たない。
産まれてくる子供も無駄飯ぐらいと見なされる。
奴隷同士で愛し合い、殺される女性を何度か見てきた…
更に許せないのは獄卒の慰み物にされた挙げ句、身籠もった為殺すという事もある事だ。
俺たちに人権は無い…イヤになる!



タコ部屋でダベっていると、いつの間にか時間になっていた。
今日もステキな20時間労働!
他の奴隷が二人がかりで運ぶ様な木材を、一人で運び(10年間の努力の成果)マリアさんの事を思い出す。

酷い話だ…長年に渡り教団に使えてきたのに、教祖のお気に入りの皿を割っただけで奴隷かよ!
番町皿屋敷を思い出すね。
最近の若い子は知らないかな?

そんなこんなで俺は鼻歌交じりで『ガッツだぜ!』を歌い木材を運んでいると、前方の人集りの向こうで女性の悲鳴と鞭の音が聞こえる!
「またか…」
そう呟き、俺も人集りの中へ入る。
みなそれぞれの仕事の手を止め、一人の奴隷とその奴隷に
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ