Fate/stay night
1173話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「うわああああああぁぁぁっ!」
影のゲートから、衛宮が悲鳴を上げながら姿を現す。
まぁ、この世界の人間にしてみれば、影のゲートを使った転移魔法ってのは色々と規格外な存在だしな。
キャスターが転移魔術を使ってたけど、あれは影に沈むとかじゃなくてパッと消えるといった感じだったし。
それを考えれば、衛宮が悲鳴を上げるのもしょうがない。
大聖杯のある空洞から外に出て、柳洞寺の階段を下りたところで、衛宮の家に戻ろうという時に俺が提示した移動手段が影のゲートだった。
実際、普通に歩いて移動するのとは比べものにならないくらい早く衛宮の家に到着したんだから、文句はないと思う。
そんな衛宮の後に続くように、イリヤやセイバーも影のゲートから姿を現す。
ああ、そう言えば今更だが、この影のゲートって見た者によっては汚染された聖杯から零れ落ちた泥のように見えなくもない……か?
もしかしたら、衛宮が悲鳴を上げたのはそれが理由の1つだったのかもしれない。
ともあれ、こうして衛宮の家に到着した俺達は早速玄関へと入っていく。
「先輩? 随分と早かったですね。大聖杯の件はもういいんですか?」
俺達が戻ってきた事に気が付いたのだろう。玄関に入った瞬間に桜が家の奥から姿を現す。
そんな桜の側にはライダーの姿もあり、どこか訝しげに俺達の方を見ている……ような気がする。
眼帯をしているから、しっかりとした事は分からないが。
「あ、ああ。うん。アークが転移魔術を使えたおかげでね。……まぁ、あんなのだったとは思わなかったけど」
「あんなの、ですか?」
首を傾げる桜。
黒桜になっていれば、俺の操影術と似たようなことは出来たかもしれないが、不幸中の幸いと言うべきか、この桜はそうなる前にアンリマユとの契約をルールブレイカーで破壊する事が出来た。
だから俺が知ってる黒桜にはならないだろう。……まぁ、衛宮が無意識に女を引っ掛けたりすれば、別の意味で黒桜が降臨する可能性はなくもないが。
小首を傾げる桜の横で、ライダーが口を開く。
「それでは、大聖杯の確認は出来たのですね? どうでしたか? やはり異常を起こしていたのでしょうか?」
「ええ。アークエネミーの言う通りだったわ。しかもイリヤや私でも修復するのは不可能ってくらいにね」
「では……」
「大聖杯に関してはアークエネミーがどうにかするわ。ただし、修復するんじゃなくて消滅させる方向でだけどね。……魔術協会が何か言ってくるかもしれないけど、この地にあんな穢れた聖杯を置いておくのはセカンドオーナーとして許せるものじゃないし」
凛の言葉に、大聖杯がどれだけ異常な状態なのかを理解したのだろう。ライダーが特に何も文句を言わずに頷きを返す。
「大聖杯の破壊はいつ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ