Fate/stay night
1173話
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握った物干し竿を使いこなすべく素振りをしている。
こうして見ると、綾子に物干し竿って結構似合ってるよな。
元々がキリリとした美人だし。
男じゃなくて、下級生の女にお姉様とか呼ばれて人気の出るタイプだ。
夜はあんなに可愛いのにな。
「どうしたのですか? 来ないのなら、こっちから行きますよ!」
セイバーが叫ぶと、一気に床を蹴って槍を俺へと向かって突き出してくる。
その突きは、なるほどセイバーであっても生前には槍も使っていたというだけあって鋭い。
俺の顔面を狙って放たれた鋭い突きを、槍を振るって弾く。
大きく弾かれたセイバーの槍の隙を突き、セイバーへと向かって今度はこっちが槍を突き出す。
後ろへと跳び、その突きを回避するセイバー。
そうして一旦体勢を整えると、再びこちらへと向かって槍を突き出してくる。
ただし、槍というのは突く以外にも、薙ぐ、叩くといった攻撃方法も可能な代物だ。
それはセイバーも承知しているらしく、突きを繰り出して俺が回避したのを見るや、そのままの状態から横薙ぎの一撃へと切り替える。
その一撃をしゃがんで回避し……うおっ! 俺がしゃがんだのを見て、横薙ぎの一撃を強引に下に叩きつける感じで攻撃を切り替えた。
槍の柄を使ってその一撃を防ぎ、セイバーの槍を絡め取ろうと動かす。
だがランサーならともかく、俺は身体能力は桁外れに高いが、槍の扱い自体は初心者に過ぎない。
そんな俺の攻撃を、槍の扱いにも慣れているセイバーがそう簡単に食らう筈もなく、寧ろ一瞬の隙を突いて俺の持っている槍の方が絡め取られそうになる。
「ちぃっ!」
それを半ば強引に腕力を使って止め……俺の持っている槍がメキッという音がしたところでセイバーの動きが止まる。
「駄目です、アークエネミー。確かに貴方の身体能力は高いのでしょう。それに、ゲイ・ボルクという宝具を考えれば、貴方の腕力にも対応出来る。ですが、それでは槍を使いこなすということにはなりません。それを覚えておいて下さい」
そう告げると、セイバーは再び槍を手にして俺と距離を取って構える。
最初に告げた通り、実戦……いや、この場合は模擬戦か? ともあれ、こうやって戦いながら槍の扱いを教えていくのだろう。
長柄の武器って事なら、一応ニーズヘッグでアダマンハルパーを使っている経験があるんだが、それと比べても生身で槍を使うというのはちょっと勝手が違うよな。
それでも、全く何の経験がないよりはいいだろうと判断し、セイバーと距離を取った状態から、一気に槍を構えて前へと進み出るのだった。
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