Fate/stay night
1173話
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れは予想外の幸運だろう。
「では、時間もないですからまずはこれでやってみましょうか」
そう告げ、セイバーが道場の奥から持ってきたのは長い棒の先端に布を被せて怪我をしないようになっている模擬戦用の槍? 刀に対する竹刀みたいな感じの代物だ。
「ああ、たんぽ槍だな。それなら確かに槍の練習をするには丁度いい」
少し離れた場所で様子を見ていた綾子が呟く声に、視線を向ける。
「練習用の槍としては一般的なものだな。……ただ、なんでまぁ衛宮の家にこんなのがあるのかは分からないけど。竹刀があるのは、藤村先生の関係だから納得出来るんだけどね」
タイガー、剣道の腕は相当強いらしいからな。
原作知識だけじゃなく、少しの間学校生活を送っただけでもその辺の情報は聞けた。
「では、まず基本的な構えから……と言いたいところですが、正直英霊が人間と同じ槍術を習っても殆ど意味がありません。特にアークエネミーの場合は高いステータスを持っているので、構えをどうこうと習うよりも実戦で慣れた方がいいでしょう」
「……いいのか、それで」
それこそ構え方からやるのかと思っていたが、セイバーとしては実際に使って覚えろという感じらしい。
「勿論時間があるのであれば、しっかりとした槍の構えからを教えたいところです。ですが、槍を使うにしても明日の夜……つまり、実質は今日と明日の2日間しかない訳です。そんな状況で型から教えるのでは間に合いません。それよりは、槍で私と戦って自分に合った槍の使い方を覚える方がいいでしょう。……だからといって、完全に我流ばかりではいずれ頭打ちとなるのは確実です。この戦いを終えたら、きちんと槍の使い方を……」
そこまで呟き、言葉を止めるセイバー。
聖杯戦争が終われば、普通は座に戻る事になるんだから、将来というのは意味がないと思ったのだろう。
セイバーは例外だが、それでもこの世界に残れるかどうかは……微妙なところだ。
俺の場合は……うん、どうなるんだろうな。
聖杯戦争が終わったらゲートを空間倉庫から取り出せるようになっていれば、普通にホワイトスターに帰れるんだが。
理由はとにかく、即席でも槍の訓練をするのは俺にとっても助かる。
それに、何だかんだとランサーとの戦闘経験もあるんだから、それを模倣する形で習得していけばいい。
……そういう風に考えると、衛宮の投影って羨ましいよな。
確か投影した武器の使用者の経験を自分の中にダウンロードするような、憑依経験とかいう形で使う事が出来る筈だ。
まぁ、この歴史では衛宮は投影を使えず、未だに強化がメインの魔術師なのだが。
「では、いきますよ」
セイバーが静かに告げ、俺はその言葉に頷く。
綾子は念の為にと少し離れた場所で、その手に
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