第1話 プロローグ ~もう一つの世界~
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ポロニアンモールの裏路地、なぜ俺はこんな所にいるのだろうか、などと思いつつ
少年は無愛想な顔で、気だるげな目で、適当に謝っている、誤っている相手は一回りほど大きい世間一般でいう[不良]と言う奴なのだろう
「あぁ、なんだその生返事はよぉ、もっと誠意を見せろよ、つーか金出せよ、わかってんだろ、殴んぞ?」
と脅して来る、なんという三下臭、正直付き合っているのが面倒になっている
それでもなお不良は無駄に怒声をあげる
「はぁ...面倒くさいやつだなぁ、ほらよ財布」
そう言って財布を投げ渡す、まあほとんど現金は抜いてあるのだが
不良は財布を受け取り、殴ってくる、流石にこれには俺も怒りを禁じえない
殴った後に財布を開き学生証を取り出し名前を読み上げる
「玻座間結城か...ツキ高の1年か...」
いちいち読み上げなくていいものを読み上げる、なんと無駄なことをする奴であろうか
次に金が入っている部分を開く、そこには79円程しか入っていない
「おい...舐めてんのか、いいか、明日までに2万もってこい、いいなッ!」
不良がいいな、と言うともう一度殴ってくる、流石にもう我慢出来ない
次の瞬間俺の回し蹴りが顔面に直撃し、不良は2m程吹っ飛ぶ、完全に伸びてしまっている不良から財布を取り返しそっと不良の財布も頂いていく、その後に不良の顔を何度も踏み付け、ズボンを脱がしパンツと上着のみにする、脱がせたズボンは見つからないような場所に捨てておく
その後に少しふふふ、と笑う
スッキリした後にあたりを見回す、ポリバケツ、空き缶、ゴミ袋、
そこに一つ異様なものがある、汚れ一つ無い等身大の鏡だ、この裏路地はほとんど、というより人が来ることがなく、ほとんどのものが汚れている、少しだけ鏡を動かし地面を見る、一体何年前から置いてあるのだろう地面は鏡を置いてある部分のみ綺麗なままだ
「なんだ...これ、普通こんなとこに鏡が置いてあるもんなのか?」
そう言いながらすっと手を伸ばし鏡に触れる、その瞬間に鏡に吸い込まれていく
文字通り一瞬の出来事で何が起こったのか分からなかった
気がつくと普通の景色に戻っていた、普通のポロニアンモールの裏路地、がすぐに違和感に気が付く
景色が反対になっていた
「なんだ...これ、本当に鏡の中ってか?」
とボサボサの頭をかく
とりあえず裏路地から出てみる、歩いているとうめき声が聞こえてくるが
そんなのは気にしないのが一番だ
ポロニアンモールの噴水広場に出た
するとありえない光景が目に入る、真っ黒な影の塊が溶けたような物体に仮面をつけたような生き物と呼べるか疑わしい[何か]がいた
「さてと、敵意なんかはあるのかな?」
と問いかける
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