第5話 拳で語れ
[3/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
りのナツの訪問でゼクトは面を食らってしまっていた様だ。
「ははっ! わりーな! じっちゃん! っと、それより……」
ナツは、マカロフに笑顔で謝った後に くるりと顔の向きをゼクトの方へと変えた。
そして、これまた満面の笑みと同じく 腕に炎を纏わせながら、元気よく一声。
「お前! オレと勝負しろッ!!!」
入るなりいきなり勝負を申し込まれたのだ。
いきなりこんな事を言われるなんて、思ってもいなかった事だから、ゼクトは 再び面を食らったのは言うまでもないだろう。
ナツの言葉を聞いた マカロフも再びため息を吐いていた。
「え…? え…?? しょ、しょーぶ??」
突然の宣戦布告に動揺を隠せないのはゼクトだ。動揺、と言うより その勝負と言う意味が、一体どういう意味なのか、まだはっきりしていなかった。だけど、直ぐにその意味を知る事になる。
「そーだ! ギルダーツから聞いたぞ? お前! すっげー強えーらしーじゃん!! だから、オレと戦えっ!!」
ナツは、右腕に纏わせた炎を、今度は左腕にも纏わせ、最後には 炎の指を ゼクト目掛けて突きつけた。
はい、即ち勝負と言うのは 戦い。……ギルダーツと戦った時の様に、このナツと戦いをする、と言う事の様だ。
「はぁ……これこれ。ナツ ちったー落ち着かんかい。入ってくるなり無茶じゃろ、んなもん」
マカロフは、驚き1割、呆れ8割、怒り(説教)1割、そんな感じの表情でそう言っていた。だけど、それくらいで止まる様なナツではない。
「でもよー じっちゃん! コイツ、新人なんだろ?? だから、オレなりのかんげーってヤツだ! 今日から仲間なんだからな! ちゃんと、かんげーしてやらないといけないだろっ!?」
ナツはニカッ!っといい笑顔だった。かんげー、とは歓迎と言う意味だろう。だが、戦いと歓迎は、《=》では結ばれないと思うのは 気のせいだろうか?
「え、えと……、あ…あの……。これは、いったい……?」
正直な所、色々と頭の中で巡っているのだが、流石にこんな対面は、幾ら目覚めて日が浅いとは言え、記憶があったとしても、恐らく初めてだろうと思える。……はっきり言えば、ナツの勢いに、ゼクトはついていけないのだ。
「はぁ〜〜〜〜〜……しょーがないのぉ〜…」
全くゼクトはついていけてない、と言うのにマカロフは、何故か勝手に納得していた。仕様がない、と言う意味がよく判らない。ナツは ゼクトに対して訴えているのだ。……マカロフにではない。もしも 『仕様がない』と言うセリフを言うとしたら、ゼクトの方だろう。……絶対、言わないと思うけれど。
つまり、本人の意思そっちのけで、マカロフが了承した、と言う事だ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ