第5話 拳で語れ
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からない。喜怒哀楽、どの感情なのかが判らない。
だからこそ、少し心配になってしまうのだ。
「(う〜む。うちのギルドに酷いことされて…って可能性も無いとはいえないからのぉ……)」
そうなのだ。色んな所で 問題を起こしている、血の気の多い者が多いギルドとしても有名(不名誉)だから。色々とマカロフが可能性を考えていた時だ。
「あ……あの……」
ゼクトが、意を決した様に、ゆっくりと口を開いた。
「その、妖精の尻尾……ですが……。名前は聞き覚えはあるんです。だけど……」
ゼクトは、マカロフの目を見ながら答えた。決して嘘はつかない。嘘じゃない、と訴える様に。
「本当は、判らないんです。聞いた途端に、そのギルドのマークを見た途端に、……何故か涙が止まらなかったんです。その理由は、自分でも判りません。今は……大丈夫なんですが。何か、とても とても 大切な名前、だと言う事は 判りました。いや ……感じる事が出来ました」
ゼクトの眼を見て、その言葉を訊いたマカロフはゆっくりと頷いた。
「そうか……」
最初から、ゼクトが嘘をつく様には思えなかったからだ。
「妖精の尻尾。その名が、そんなに大切なものだと、感じたのか?」
マカロフは、改めてそう訊いていた。その言葉を訊いて、ゼクトは直ぐに頷く。躊躇する事なく。
「……はい」
ゼクトにとっても、こんな感覚は初めてのことだった。大切に、そして愛しく感じるのだ。このギルド、妖精の尻尾が。
そんな時だった。
「おおーーいっ! じっちゃん!! 新人、起きたかーーーーーっ!??」
“バァン!!”っと、扉を勢いよく開けて入ってくるのは ナツだった。
「ッ!!」
突然、jここに入ってきたから、ゼクトは 思わず驚き、震えてしまっていた。驚いて振り向いた先には自分と同じ位であろう歳の少年、ナツが腰に手を当てて、立っていたのだ。
「って、なんじゃいナツ。いきなり……」
マカロフも、ナツが来訪した事を理解したと同時に、ため息を出しながらそう言っていた。一応、ギルドの長として注意をする事にした。
「幾らギルド内とは言え、ここは仮にも医務室じゃぞ? もうちっとこう、静かに入ってくる事はできんのか? ……ああ、無理じゃの」
注意をしたんだけれど、即効で無理だと否定していた。いつも騒がしいから こう言う所だから、と大人しくする様なナツじゃない。それに、絶対安静とは言ってなかったから。
「え…っと……」
当然、いきな
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