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リリカルな正義の味方
始まり
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 彼らは対峙していた。管理局のエース達が、そろって相手しなくてはならない存在が目の前にいた。その彼はその手に両剣を持ち、一瞬の隙もなくその武器を構えていた。

 彼の名前は柊白夜。管理局のエースと呼ばれる彼女たちとともに、数々の事件を解決してきた英雄の一人である。そんな彼らが何故敵対しているのか。それは彼の歩んできた道に原因がある。

 彼が力に目覚めたのは小学生のころである。夢の中で出会った謎の存在。自らを神と名乗るそれは、彼に一つの力を与えていった。他の人とは違う『異能』。本来、そのような力を手にすれば、小学生という幼い精神を持つ彼は、見せびらかしたり、自分が強いと思い、強気になったりするものだが、彼は普通の子供とは違っていた。普通ではなく、異常だった。それは、精神的におかしいといったものではなく、目指したもののおかしさだった。彼が小学生のころにやっていたアニメの登場人物にそれを目指したものがいたのだ。そしてその理想を貫き通し、その果てに見たのは地獄だった。しかしそれでも尚、理想を貫き通した彼を尊敬し、彼の目指したものを自らも目指すと決めたのだ。そんなときである。彼がその人物と同じ力を手にしたのは。その力を手にし、彼は修業に励んだ。自らを追い込み、時にはジュエルシードの暴走体と戦い、いずれ仲間と呼べる彼女たちとも戦い、自らを研鑽した。その過程で理解したのは彼女たちとは違い、天性の才能を持たないこと。その結果、彼は努力の末、己だけの戦闘スタイルを確立させた。その戦闘スタイルは彼女たちとも大きくかけ離れており、彼女たちの度肝を抜いた。ただ、その戦闘スタイルのおかげで、彼女たちの中でも最強の位置にいるようになった。

 そんな彼は突然姿を消した。突然というより、正確には高町なのはが撃墜された後だ。彼は去っていく前にフェイト・T・ハラオウンに言葉を残している。

「オレは、皆を救う正義の味方になる」

 彼はその後、世界という世界を回った。様々な次元世界を回り、様々な人々を見てきた。その途中、彼は管理局の闇を知ることになった。そんな組織にも光と闇があり、その闇の被害者を知った。そして理想のために、管理局と敵対する道を選んだ。当然彼女たちは最初信じられなかった。今まで、自分たちとともに戦ってきた彼が敵になったこと。衝撃的な出来事だっただろう。だが現実は非常だった。JS事件が終わり、平和になったことを喜び、皆が皆、立て直していこうとしていた矢先のことだった。彼が現れたのは。彼は昔と何もかもが変わっていた。黒く艶のあった髪は、色素が抜け落ちたように白くなり、顔にはところどころ褐色になっていたりと、見た目にも変化があった。一体何があったのか、それはわからないが、彼女らは理解した。彼は本気だと。本気で管理局を破壊する気だと。その彼に昔のような優しさ
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