始まり
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に絶望してなどいない。」
彼はそういって彼女に斬りかかる。横なぎに一振り、剣を両手で持ち斬り返し、打ち上げ、武器を跳ね飛ばす。
「オレを止めるといっておきながら、その剣に迷いが見られるな。そんな生半可な覚悟ではオレを止めるなど、不可能だ。」
彼は己の剣を直し、新たな一本の武器を出す。赤い、紅い深紅の槍を。
「これは殺し合いだ。その中での迷いは死に直結する。」
彼はともに戦ってきた彼女ですら殺さんとその槍の真名を開放する。
「ーーー刺し穿つ死棘の槍!!!」
そしてそれを彼女に向けて…放たなかった。
彼は槍を構えたまま動課かなかった。その彼の視線は目の前にいる彼女の顔へと向いている。
「ーーー何故、逃げようとしない。これが必殺の槍であることはわかっているはずだ。」
「そう。必殺だからこそ、白夜はそれを私たちには使わないよ。だってそれは私たちを殺すものだから」
そう。彼は管理局と戦うことはあっても、その敵対したものを殺すことはなかった。ただの一人も。どんなものであれ、殺すことはなかった。
「それに、白夜は優しいから。ずっと私たちを護ってくれてたもんね?」
「…何の話だ」
「隠さなくてもいいのに。ね?なのは?」
「そうだね、ヴィヴィオが言ってたしね。『正義の味方っていうお兄ちゃんに護ってもらった』って。」
「……」
「それにあの剣は白夜くんが作ったもんやろ?」
それはヴィヴィオが持っていた剣。刃はついておらず、認識阻害の魔法がかけてあった。彼が渡したものだろうと軽く予想をすることができた。
「…だからなんだ。あんなものは気まぐれに過ぎない。ただ見かけたから助けただけだ。他意はない。」
「じゃあ、あのゆりかごを破壊したのもか?」
「…」
次々に彼女たちは彼に問いかける。ここでゆりかごを破壊したことについてだが、軽く触れておこう。ヴィヴィオを助け出したなのはは脱出した後、クロノの指揮のもとアルカンシェルで破壊する予定だった。だがそれはジェイル・スカリエッティの開発したバリアにより止めることはできなかった。皆があきらめかけた時、それは起きた。遠くに光の柱が上がったのだ。その光の柱はまっすぐにゆりかご目がけて近づいてくる。そしてゆりかごが消滅するとき彼女たちは確かに見た。無限に続く赤色の荒野に墓標のようにそびえたつ剣の群れを。それは彼女たちに一人の人間を想像させた。そのことについて彼女たちはいっているのだ。
「…あれを壊さなければ、オレにも被害が出ていたからな。ただの自己保身の為だ。」
彼はあくまで自らのための言い張る。彼が正義の味方だと名乗っている以上、そんなことはありえないだろう。そんなものが正義
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