4部分:第四章
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て兄に話すのであった。
「今まで我等は船だけを持っていた」
「うむ」
「しかしだ」
海を見て言う。ここの海は故郷を出た時のそれとは違い青かった。青く何処までも澄み同じく青である空と果てで一つになっていたのだった。
「馬と馬車を手に入れたな」
「それか」
「これは。大きいことだと思うぞ」
ヨッハルがここでブリアンに対して言う。ブリアンもそれに顔を向ける。
「大きいか」
「うむ。船だけではなくなった」
ヨッハルが言うのはこのことだった。
「それにだ」
「それに?」
「この馬と馬車もまた海も陸も行けるな」
「そうだ。そこか」
「その通りだ。同じものが二つ手に入ったとなると」
彼はさらに言葉を続ける。
「いざという時にも役立つ。船に何かあった時にもな」
「予備というわけか」
「そういうことだ。それに」
「それに?」
「船は細かい場所まで行くことができない」
彼が次に指摘したのはこのことだった。
「馬は違うな。どうだ」
「兄者」
ヨッハルヴァもまた次兄の話を聞いて長兄に顔を向けて口を開いてきた。
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