第二百八十四話
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第二百八十四話 早速
美樹はビルガーとファルケンを連れて家の前に出た、既に法衣に着替えていてステッキも持っている。そしてだった。
風を出してみてだ、こう言った。
「これが今まで出していた風ね」
「はい、鎌ィ足ですね」
「ご主人様の得意な」
「鎌ィ足は基本だし」
風の魔法の中でだ。
「私もよく使うけれど」
「そこにさらにですね」
「出されますね」
「ええ、それだけれど」
しかしという口調で言う美樹だった。
「竜巻も出してみるわね」
「では今からですね」
「それも出されますね」
「こうしてね」
言ってすぐだった、美樹はステッキを振ってそうして竜巻を出してみせた。竜巻は前に十メートル程飛んで消えた。
それを見てだ、ビルガーとファルケンは言った。
「いいのでは」
「大きさも速度も」
「進んだ距離もです」
「まずまずと思いますが」
「これを三十メートル位いかせたいのよ」
距離をというのだ。
「今はちょっと出した位だけれど」
「それで十メートルでは、です」
「いいと思います」
「ではさらにです」
「やってみましょう」
「それにね」
美樹はさらに言った。
「そよ風とか突風も出して」
「そして温風や冷風ですね」
「そちらも」
「温度はそれぞれの風の中に入れていくわ」
鎌ィ足や今出した竜巻にもというのだ。
「そうしてやっていくわ」
「はい、では色々とです」
「やってみましょう」
二羽も応えた、そしてだった。
この日は一時間程魔法の練習をしてそこで色々な風を出してみた、それが終わってから家に入って二羽に言った。
「これはまだほんのはじまりで」
「これからですね」
「じっくりと時間をかけられて」
「毎日時間を作られて」
「勉強していかれますか」
「そしてもっとよくなるわ」
魔法が、というのだ、まだ具体的にどういった風によくなっていきたいのかは掴めていないがそれでも一歩を踏み出した美樹だった。
第二百八十四話 完
2015・10・28
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