18話 裏の読み合い 3.7
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もよい」
「はっ」
「我々もその成功の可否でグリプス2についても改善せねばならぬかもしれぬ。一体どれぐらいの戦力で無力化されてしまうのか」
「そうですな。今回の作戦の艦隊規模は全体の三分の一になります。各方面からのアステロイド・ベルトからのゴミを収集してきております。それぞれに核パルスエンジンを載せている。ちょっとの軌道修正の攻撃ではビクともしないでしょう」
「確かにな。四方八方からの隕石攻撃。これを秘匿するにどれだけの苦労があったか計り知れないな。我が軍の動きはサイド3の更に外側を隠密に動いていた」
ジャミトフは沈黙をした。バスクはそれが話の終わりだと悟り、通信を切った。
* テンプテーション号内 3.9 11:00
連邦の強制退去により、グリーンノアから追い出されるようにして出てきた者たちが居た。
その中に、今年13歳になるカミーユ・ビダンが父親フランクリン、母親ヒルダと共にサイド6のインダストリアル1へ向かっていた。
カミーユの両親共に連邦の技師であった。そのため、連邦からの異動命令も伴っての移動でもあった。
その便には幼馴染のファ・ユイリィとその両親も乗っていた。
カミーユの両親は仮面夫婦であった。そのため、カミーユは性格的に繊細で感情のコントロールが難しかった。それをファは心配そうに見ては支えていた。
今回の移動にしても、仕事都合ということでカミーユは不満に思っていた。やることなすことがカミーユにとって不満でしか思わなかった。
その鬱憤が様々な方面への学術的なことや武術的なことに向いていた。そのため、周囲からは秀才として一目置かれていた。
カミーユがインダストリアル1に入港前に宇宙を窓より眺めていた。
その姿にファがカミーユに注意した。
「カミーユ!そろそろ着くわよ。席に戻らないと」
「分かってるよファ。ただ、この宇宙だけが僕を慰めてくれるんだ・・・」
ファはため息を付いて、カミーユの頭をポンと叩いた。
「な〜にカッコよく黄昏ているの!私たちそんな年でもないでしょ」
「うるさいな。親父は不倫していて、母親は見て見ぬふり。最悪な環境だよ」
ファはカミーユの愚痴をいつも聞いていた。それにファはいつも気を使ってカミーユを慰めていた。
「うちの親もカミーユが一人の時は遊びにおいでっていってるよ。生憎、うちの親とカミーユの親は外面が良いから、融通が利く。親が自分たちで無責任で楽しんでいるんだから、カミーユももっと気楽な方に考えて、うちも含めて色々利用しちゃいなさいよ」
「ふん。ファはいつも物わかり良いように言う・・・」
「それが取り柄だからね」
そう話していると、入港のアナウンスが流れた。その放送を聞いた2人は自身
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