18話 裏の読み合い 3.7
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いと考えているみたいだ」
アムロは顎に手をやり、シナプスの話したことにこう返した。
「軍縮が望みなのか」
「正規軍派閥の解体だ。より彼らのやり易いようにしたいのだろう。正規軍が何らかの形で大敗を期すれば、第2次ビンソン計画は失敗、正規軍派閥は発言力を失うだろう」
「じゃあ、その時に表舞台に出る奴が首謀者なわけだな」
アムロはそう述べると、バニングが破綻した論理の一番頭を気にしていた。
「しかし、ジオンの脅威に屈しないとは如何なものだ?現に我々はソーラレイに屈している」
2人とも頷いた。そしてシナプスが話を締めた。
「その首謀者とやらには切り札があると考えてよいだろう」
* ジオン公国 サイド3 ズムシテイ 総帥執務室 同日 15:00
ギレンは各方面から満面無く来る稟議決裁の山を処理していた。
彼の普段の仕事の大部分がそれである。
その最中、デラーズより光速通信がギレンに掛かってきた。
「なんだ、デラーズよ」
通信画面にデラーズが載っていても、ギレンは見向きもせず、稟議書に目を通していた。
「お忙しいところ失礼致します閣下。先ほどガンダムが当方拠点「茨の園」に到着致しました」
その報告を聞くと、ギレンはペンを止め、デラーズの通信画面に目を落とした。
「そうか。星の屑の一つが成った訳だな。企業間通じてだが、互いの手の内をある程度明かされるのは、少々草臥れる。裏の裏、先の先まで読み切れないと、損をする」
「そうですな。我々はまさにポーカーの最中です。相手のブラフか本気かを読み合う。賭け事にしろ、乗せたチップが命を伴います」
「うむ。我々の作戦は月へのコロニー落としというカードを相手に見せている。しかし、実際は地球なんだがな。相手は我々にルナツーで行われる第2次ビンソン計画を破綻させて欲しい、という要望をカードで突き付けてきた」
デラーズはギレンの話におかしいと考え込んだ。その思案顔にギレンが笑った。
「ハハハ、そうだろう。何故奴らがわざわざ首元を締めるようなことをするのか?話に聞くと、奴らは派閥争いしているそうだ。この私が健在なのにも関わらず。バカな話だ。私を侮るにしてもいい加減にして欲しいものだ」
デラーズはギレンの言うことに賛同した。
「おっしゃるとおりです。閣下を駒に使うなど、愚かな者どもです」
「と、普通なら思うだろう」
「はっ?」
デラーズはギレンの言葉にちょっと驚きを見せた。
「策士、策に溺れる。溺れぬように泳ぎ切りたいものだ。そこまで読み切らねば戦いには勝てん。そこまでして、奴らは私に挑戦、いや駒に扱おうとする気だ」
ギレンは一つ間を置いてから話始めた。
「貴様らの働きの後
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