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歌集「春雪花」
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 然り気なく

  過ぎ去るけふも

   侘しさを

 抱きて眠り

    夢もなかりき



 時は何も考えることなく、ただただ坦々と過ぎ去るだけ…。

 そしてまた…今日と言う日が過ぎ去り、彼のいない淋しさが募るばかりだ…。

 こんな侘しい想いを抱えて眠らなくてはならないとは…淋しすぎて、もはや夢も見ないだろう…。

 そして…未来への希望さえも見えない…。



 忘れえぬ

  愛しき君の

   生まれし日

 送りし言の葉

   意味ぞありきや



 忘れることもない、彼の誕生日…。去年の誕生日には雪が降っていた…。

 彼は私に「今日が誕生日なんですよ。」…と、その日に教えてくれた。私は宗教の関係で自分の誕生日は祝わないが、日にちだけなら十一日しか違わない。

 そんな些細なことが…なんだか嬉しかった…。

 だから、今年は「おめでとう」…と、メールをしてみた…。それがどれだけの意味を持つのかなんて解らない…。

 彼は…嬉しいと思ってくれたのだろうか…?はたまた、単に多くのメールの一通程度だったのだろうか…?

 いや…そんな風に考えることこそが…おこがましいのだな…。




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