Fate/stay night
1172話
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るとなると、万全の状態のセイバーであっても色々と厳しいだろう。
もし自分達で何とかすると言われたら、その辺を一度しっかり教えておいた方がいい。
そんな俺の思いとは裏腹に、衛宮はあっさりと頷く。
「そうだな、そうしてくれると俺としても助かる」
へぇ、意外だった。
俺との間にある確執を考えると、自分達だけでどうにかしようとするからとか、断られるのかと思ったんだけどな。
この辺の切り替えは中々に見事なものだと思う。
「じゃあ、話が決まったところでそろそろ戻るか。衛宮の家を空けておくってのは色々と危険だしな」
「ちょっと待って下さい」
大聖杯の空洞から出ようとしたところで、不意にセイバーが声を掛けてくる。
また何か面倒事か? そう思ってセイバーの方へと視線を向けたのだが、そこにあったのは俺に向かって頭を下げていたセイバーの姿だった。
「……え?」
一瞬、何が起きたのか分からなかった。
セイバーは元々俺に対して衛宮と同様に隔意を持っていた筈だ。
それが何故頭を下げる?
俺の隣にいる凛も同様だったのか、驚きの表情を浮かべながらセイバーの方へと視線を向けていた。
そんな俺達に向けて、セイバーは下げていた頭を上げて口を開く。
「もしアークエネミーがこの大聖杯の件に気が付かなければ、私は大きな過ちを起こすところでした。もしこの大聖杯で願いを叶えようとしても、まともに願いが叶えられるという事はなかったでしょう。それを前もって止めて貰ったのですから、お礼を言わせて下さい。そしてこの件のお礼として、私が何か出来るのであれば可能な限りその要望を聞き入れたいと思います」
そのセイバーの言葉に少し考え、ふとセイバーに対して丁度いい頼みを思いつく。
「そうだな。じゃあ、ちょっと俺の槍の練習に付き合ってくれないか?」
そう、俺の脳裏に浮かんだのは、ランサーの遺品とも呼べる槍……ゲイ・ボルクだった。
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