神風と流星
Chapter2:龍の帰還
Data.26 絶望のち希望
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本〜一層の危険スポット編〜》に《赤黒龍の渓谷》てのが載ってたろ?そこの扉の向こうにある道を抜けるとそのデンジャラススポットに辿り着く」
「……」
あまりのことに顔を青くしたまま固まるクライン。その反応は正しいが、この程度で済むと思っているならまだ甘い。
「さらに、おそらくだがそこにいる五匹のドラゴンを倒さないと俺達はここから出られない」
「ハアッ!?」
静止状態から一転し、盛大なリアクションで驚かれる。うむ、俺も出来ればそうしたい。
ただまあ一つ救いがあるとすれば、
「こっちはまだ確定情報じゃない。クエスト開始の知らせも来てな――――」
ピコーン。
「……」
何故だろう。視界の右下端に出てきたこのアイコンをタッチしてはいけない気がする。何故か、本当に何故か分からないが猛烈に。
「あ、ルリくん。何かクエスト始まったぽいね」
ほら、と無邪気にウインドウを見せてくるシズクに折れ、しぶしぶ見ると確かにそこにはクエスト開始の旨が書かれた文面が。
「で、ルリ?何が確定情報じゃないって?」
最早笑うしかないのか笑顔で尋ねてくるクラインに、俺も満面の笑顔を浮かべて言った。
「さて、ドラゴン攻略についての会議を始めようか」
こうして俺は再び、龍を相手取らなければならなくなったのだった。
「結論。この戦力でアレを全部倒すのは無理だ」
作戦会議開始の第一声。それによって会議は終結した。
「ただでさえ強Mobの四龍に、更にプラスしてジョーカーとか無理に決まってんだろ。常識的に考えて」
ゲームバランスに関して言えばこのゲームはまあまあ良心的だと思っていたが、今はこう言わざるを得ない。SAOはクソ運営。ぶっ飛ばすぞ茅場。
「で、でもよ、ルリたちは一回あいつらを倒してるんだろ?それなら――――」
「正確に言えばジョーカー以外は倒した、だな。それも入念に準備しての話だ。シズクはともかく、今の俺の装備じゃ荷が重い」
《体術》取得とここまでの道中は基本的にシズクが蹴散らしていたから持ってきていた分はほとんど手つかずだが、そもそも持ってきていた絶対数が少ない。そしてシズクやクライン、多くのプレイヤー達と違って俺の《投剣》は武器数がほぼそのまま戦力に直結する。
つまり今の俺では戦力外なわけだ。
じゃあ、残りの戦闘要員は――――
「あ、何かこっちのほうが若干座り心地がいい気がするー」
いつも通り暢気なことを言っている、そこのバカと――――
「……一応聞いておくが、お前らのレベルっていくつくらいだ?」
「……6と、後は7が二人だ」
どうやらクラインたちに戦闘を期待す
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