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ULTRASEVEN AX 〜太正櫻と赤き血潮の戦士〜
1-2 彼の名は
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地にさせるこの少年。すみれとしても気になりはするものの、だからといって甘えさせるのもいかがなものだろうか。
「すみれ、いじわるいわないで助けてあげようよ。このおにいちゃん、本当に何も覚えていないんだよ?」
アイリスもすみれに一緒に助けてやろうと促してきて、少しため息を漏らしながらもすみれは降参した。
「…わかりましたわ。とりあえず帝劇に置くことには私も了承いたしましょう」
「すまねぇなみんな。でも、今のこいつはまっさらな子供のようなもんだ。仲良くしてやってくれ」
「……」
すみれは再びジンの顔を見る。
まぁ、これといって顔立ちがよいというか…不細工顔というわけでもなく、かといってハンサムといえるほどの顔ではない。普通だ。しかし記憶がないという症状からか、今の彼はまるで何も知らない無垢な子供のようにも見える。見た目は自分よりも少し年上くらいに見えるのに、演技にしては出来過ぎているものだ。
「えっと…あの、僕は…」
黙って話を聞いていたジンが、ここで口を開いてきた。
「そう固まんなよ。今聞いたとおりだがジン、お前は今日からこの帝劇で預かることになった」
「…いいん…ですか?ご迷惑じゃないんですか?」
少し弱々しい口調でジンが問う。確かに自分には、自ら引き取ってくれるという米田以外に身寄りがない。彼らに頼る以外に選択肢がないのだ。それでも、迷惑をかけることはよしとできない。
「迷惑なもんかよ。記憶を失う前のお前さんには、俺も世話になってたからな。今度は俺が助けてやりたいんだ」
米田はジンに、親戚のおじさんのような朗らかな笑みで言った。
「…わかりました。どの道どこにいけばいいのかなんてわからないし、ここに留まらせていただきます。お世話になります。えっと…」
そういえば名前をまだ聞いていなかったことにジンは気づいた。
「俺は米田一基。この大帝国劇場の支配人で、戸籍はお前の親父だ。本当の父親のつもりで接してかまわねぇぜ」
「あ、いや…いきなりそういわれても…」
米田が自分のことを父と思うように、というものの、記憶を失っていて周りの要素をどう受け止めるべきか戸惑いを覚えたままのジンにとって、すぐに米田を父と呼ぶことはためらいがあった。
「まぁ確かにすぐに親父と呼べといわれても、呼べるとは思えねぇ。そこは時間をかけてなんとかするっきゃねぇな。
そうだ、せっかくだからここにかすみ君たちも呼んできてくれ。ジンに自己紹介してやりてぇからな」
「了解しました。私が呼びに行きましょう」
マリアが、ここにはいないメンバーも呼びに一旦支配人室を後にする。
そしてほどなくして、ジンからみて少し年齢が上に見える女性二人とそばかすが特徴的な少女一人がマリアに連れてこられた。
見ず知らずの少年が支配人室にいるという状況に椿たちも困惑したが、妻子
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