孤独を歌う者 2
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すんだ」
レゾネクトの顔がどんどん凶悪になってるじゃないか。
何か知らんけど、やめろよな。
力じゃ絶対に敵わないんだから。
「彼の真意に近い場所に触れているのですから険悪になるのはどうしようもありません。でも、これは彼自身の望みでもあるのです。踏み込まないと、いつまで経っても解決しません。多少怖いのは我慢してください」
「真意? それって…… !」
アルフリードを呼び戻す云々じゃないのか?
って尋こうとしたら、レゾネクトがいきなり消えた。
空間移動か!
「ベゼドラ。ロザリアの存在を、この場所に固定してください。早く」
「は? んだよ、いきなり」
ベゼドラの不満そうな声を聞くなり、体がズシッと重くなる。
その瞬間、背後に現れたレゾネクトの左腕が、私の肩に掛かりかけ。
それを、クロスツェルの左手が掴んで止めた。
速い。
なんだ、今のクロスツェルの動き!?
レゾネクトとベゼドラも驚いて、変わらず笑ってるクロスツェルを見た。
「……ロザリアに手を出したら最後。貴方が欲しがっているものは今度こそ永遠に手に入らなくなりますよ、レゾネクト」
「いいや……。もう一度、アルフリードに会う。そうしなければならない。数千年を待ったんだ。今、ようやく叶う。邪魔をするな、魔法使い!」
「ぅわ……っ!?」
レゾネクトの右手が私の右腕を掴み、後ろへと乱暴に引っ張って。
クロスツェルから無理矢理引き離そうとする。
転けそうになるのをなんとか堪えて、二人を見れば。
「…………………………………………はい?」
背伸びしたクロスツェルが、レゾネクトを正面から抱きしめて。
頭を……後頭部を、撫でて……、る?
「……なんのつもりだ、貴様」
あ。
うろたえてる。
声色は刺々しいまま変わってないけど。
目とか雰囲気が、すっごいうろたえてるよ。
あのレゾネクトが。
ベゼドラも思いっきりどん引きしてるし。
母親も女神もぎょっとしてる。
幼女も、「え?」って間抜けな声を出して硬直した。
「私の記憶を見たそうですし、ご存知だと思いますが。猪の皮を被っている犬猫科性の大型動物二名に仕込まれた、友好表現ですよ」
あー……、あの強烈な性格の、聖職者? 二人組か。
友好表現ていうか、ソレ、嫌がらせにしか見えないんだけど……。
「友好?」
「誰かと友達になりたい時は、これが一番手っ取り早いのだと、身をもって知りましたので。実践しているところです」
実践しちゃってるのか。そうなのか。
そりゃ、コイツに敵意を向けて話を拗らせるよりはマシだけど。
予想外
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