3.『温もり』
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ールなメイドがどこからともなく風のように現れた。
「客人ですか」
「いいえ、新しい……ペットよ」
「(ペットぉ!?……いや、ツッコむべきところはそこじゃない。この人間は何だ?瞬間移動をしたぞ。……。……いや、ちょっと違うな。空間を弄ったんだ。空間の対義語は時間。時間も操ることができるのかもしれない。これは脅威となりそうだ……)」
「……見たところ、人間ですね、しかも幼い……。外来人ですか?」
「そうだ。……ちょっと不思議な子でね、面白そうだと思ったんだよ」
「あら、そうですか。それはさぞかし期待できそうです。それでは、空き部屋を探してきますね」
「頼むよ」
そしてメイドは姿を一瞬にして消した。
これから大変なことになりそうだな、と心の中でため息をつくと、レミリアがくるっと東の前に立ち、胸を張って言った。
「いいか、東。今日からお前はここの家族となる。欲しいものは遠慮なくなんでもこのレミリア様に言え。そのかわり、お前は私の専属抱き枕だ!」
ふへへと抱きしめてまた複雑な心境になる東。
しかし、“家族”という言葉がいつまでも脳の中でこだまし、ちょっとだけ嬉しくもなり、悲しくもなった。
前者は、妹以外に家族なんていなかったから。
後者は、裏切らなければならない日が来ることを知っていたから。
今はただ、この温もりをしっかりと覚えることにした。
いつか家族を持つ、その時まで。
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