ハプニング&ラブ
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あ早速行こうよ!」
「あ、ああ解った」
共に駆け出し海へと飛び込み泳ぎだしていく。強い日差しの中冷たい海水に身をさらし潮の流れで起きる波で時折揺れる身体、これだけでも思わず着てよかったと思ってしまうジーク。
「ジーくん〜此処の海の中凄い綺麗よ〜!」
「そうなのか、では潜るか」
「この奥に珊瑚礁があるよ!」
ガッチリと指を絡み合わせるように手を重ね合わせ共に泳いで行き、呼吸を整えて一気に海中へと身体を沈めていく。海中に広がっているのは正しく海の花畑というべき美しい姿だった。人間の手が一切加えれていない自然本来の美しい姿のまま、それを保ち続けている。
「(美しい……むぅう!!?)」
「(…ドッキリ大成功!!)」
海底の美しさに浸っていると突然唇を重ねてくるドロシーに驚き思わず大量の空気を吐き出し動揺するジーク。そんな旦那を悪戯好きな小悪魔のような笑みを浮かべて笑っているドロシーはその場で踊るように回転する。
「(このぉお待たんか!!)」
「(〜♪ッ!!!??)」
「ドロシー!?」
目の前でくるくると回転し笑っていた彼女の様子がいきなりおかしくなり思わず声を出してしまうジーク。いきなり身体を固くしもがく様に苦しんでいる。
「しっかり!!今海面に!!」
「ごばぁっ………」
「ッ!!うおおおおお!!!!」
大量に口から泡を吐き出す姿を見た事でジークは魔力で強引で身体のリミッターを解除し勢いよく海面へと飛び出し大急ぎで海岸に上がった。
「ドロシーしっかり!しっかりしろおい!!」
人が集まってくる中大きな声で彼女へと問いかけ続ける、返事は無く口へと耳を近づけても呼吸音は無い。それを確認すると頭を後ろに反らし首を持ち上げ気道を確保しそのまま人工呼吸を開始した。
「(頼む!!息をッ……!!!)」
「かはっごほげっほ!!」
数回人工呼吸を繰り返しているうちに無事ドロシーは意識を取り戻しを肺の中の水を吐き出した。ジーク安心したように脱力仕掛けたが彼女の身体にタオルを掛けそのままお姫様抱っこをし宿へと歩いていった。
「無事で何よりだよドロシー、本当に………」
「本当にごめんねジーくん……折角の旅行なのに台無し……あたしってば最悪」
ベットに寝かされたドロシーは弱弱しくなった瞳をジークへと向ける、漸く二人っきり夫婦水入らずの旅行の筈だったのに自分が台無しにしてしまった。それが申し訳なくてしょうがないのだ。だがジークは首を横へと振り彼女の頭を撫でた。
「気にしていないさ。君が無事なら俺はどんな旅行よりも嬉しい、今日はこのまま一緒に部屋に居よう」
「うん……一緒に、寝てくれない………?」
「勿論だ」
ベットの中へと入りドロシーをそっと抱き寄せるジーク。
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