第4話 目覚めたら妖精の尻尾
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の口から名前を訊いた後、手を差し出した。
「……はい」
ゼクトは、迷う事なく、差し出されたその手を掴んだ。
「――……(何故だろう? これまでの大人と違う。いや、あの大人…ギルダーツも…そうだったけど、安心できる…といった方がいい…かな?)」
ゼクトは、あの時に戦った相手の事、ギルダーツの事も思い出していた。撫でられた感触と温もりも忘れられなかったんだから。
「さて……互いに自己紹介はすんだのぉ? 先程の話じゃが…」
マカロフは、先程 即ち 好きな理由について、訊こうとするけれど、ゼクトは直ぐに話をした。
「すみません……。理由なのですけど…、その……オレもよくわからないんです」
「むぅ?」
「オレは…初めて目が覚めたとき、あの場所でした。その瞬間から…想いが募ってました。大切な…って。だから、どんな所、場所よりも……特別な場所だったんです。だから、あの場所にいたら いつの間にかこういう事態に、なってて……」
《こういう事態》
あの場所に、沢山の大人たちが押しかけてきて、色々とあってそして、今に至る事だった。
「なるほど…の。 やはり そういったわけか……」
マカロフは 腕を組みながらそう呟いていた。
どうやら、ゼクトには、悪意があった。と言った類は皆無のようだ。もともと、マカロフは、ギルダーツの話も聞いているから、ある程度 ギルダーツが知る程度は判っていた。……いや、ゼクトと少し話した時点でそんな気などは失せてはいた。
「ふむ 合点はいった。すまなかったのぉ……。理由も知らず、強行的なことに出てしまって」
経緯を聞いたからこそ、マカロフはゼクトに謝っていた。突然頭を下げられて、驚きを隠せられないのはゼクトだ。
「い……いや、その、でも 元々は…… オレが……あそこ、に……」
だから、ゼクトは 慌ててそう言う。そんな姿を見て マカロフは もう堪えきれなかった。
「はっはっはっ!」
大声で、マカロフは笑い出したのだ。
「……え? ええ??」
ゼクトは、何で笑い出したのかが 判らなかったから、只々戸惑っていた。
「はっはっは! いやぁ すまんすまん。評議会の連中……、つまり、ギルダーツよりも 前にお主を捕まえようとしていた連中の話とは似ても似つかん印象を感じたからな? だから、つい笑ってしまったんじゃよ」
そう言っている間も、笑顔を見せており 暫くはマカロフは、笑いに笑って、もう止まらない様だった。
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