第4話 目覚めたら妖精の尻尾
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の場所…は? それは 後だ…ええっと……」
ゼクトは、更に記憶を揺り起こそうとした。
――あの時……、明らかに違う男………。そうだ……今までとは明らかに違う実力者が来た。その男に…完全に撃ち負けた。……報いを受けるときがきたのか…?そう思ってた時に……。
「あっ!」
ゼクトは、この時全てを、今までの事、思い出した。
「え………、つ、つまり ここは、この場所は……妖精の……」
あの名前を呟こうとした時だった。
「その通りじゃよ」
誰かが、部屋の中に入ってきた。
「ッッ……!」
ゼクトは、驚いて、声の方に振り返った。そこには、小柄な老人がいた。
「すまんのぉ…。驚かせてしまったか? じゃが 無理はせんでええぞ。キミが望むのならば、あの場所に……、あの 渓谷にも送ろう。だが、その前に……何点かあってな?」
そう言いながら、ゼクトがいるベッドの傍の椅子に座った。
「聞かせてもらえんか? お前さんが何故、あの場所が好きなのか…とかをな?」
目の前の老人は、笑顔を見せてくれた。その眼は安心出来るもので、敵意を全く感じなかった。何故だか判らない。会って間もないと言うのに、直ぐに信頼できる、そんな感じがしたのだ。
「ん……いいです…が…、えと、貴方は?」
ゼクトは、そう聞いていた。
「おおっと……そうじゃったの。子供に諭されるとはの。わしもダメじゃなぁ? ワシは、マカロフという。このギルド、フェアリーテイルのギルド・マスターじゃ」
マカロフと名乗った老人は、そう言って再び笑った。
《フェアリーテイル》 妖精の尻尾。
ゼクトは、その言葉を聞くだけで、やはり心が震えた。何故なのか、その理由だけはわからないままだった。自分がいたあの場所が何で好きなのかがわからない、それと全く同じだった。だから、無関係とは思えなかった。
「あ…その…よろしくお願いします。」
ゼクトは、頭を下げていた。誰かに下げるなど初めての事だった。覚えている範囲での事だけれど。
「ふむぅ……。よろしくのぉ。キミの名は聞いておるぞい? ゼクト」
マカロフは、一通り話をしてみて、一瞬首を傾げそうになっていた。
何故なら、この目の前の少年は、評議員達の魔道士を退けたその上に、ギルダーツと戦りあう程の子供だ。なのに、その子供が こんなに礼儀正しい。だからこそ、当初から感じていたイメージと遥か離れているのだ。頭の中では、『ギルドのガキどもを見習わせたい』 と思った程だった。
「あ…はい。その、…オレの名はゼクト…です」
ゼクトは、改めてそう言っていた。
「ふむ。よろしくのー!」
マカロフは、ゼクト
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