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竜から妖精へ………
第4話 目覚めたら妖精の尻尾
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うだ。

「おおっと……そう言えばそうだな。忘れてた」

 いや、ギルダーツも同様だったから、全員が忘れてしまっていた様だ。説明をする事、説明をしてくれる事を。
















〜フェアリーテイル・医務室〜

 それは、ギルダーツとナツの戦いが終わって直ぐの事だ。
 眠り続けていた少年、ゼクトは目をゆっくりと開けていた。

「う………ん……… あ…れ?…オレ…いったい…」

 起きたばかり故に、記憶がはっきりしない。
 頭の中に靄が出来ているように、中々払えなかった。一体何故、この場所にいるのか、ここは何処なのか、それらが判らなかった。

「え、っと……、オレは……、あの場所で…確か……」

 ゼクトは、必死に思い出そうとしていた。大切な事、だから。


 そう、始まりは突然だった。
 気がついたら、あの渓谷、あの場所にいたんだ。何故だか、判らなかった。

 判らないのに、その場所は とても、とても大切な場所に思えた。何も記憶に残ってないというのに。……何か大切な事があった感覚がする。
 目を瞑れば、目の前に、浮かぶ。でも その目の前にいるのは……誰か…わからない。

 男なのか女なのか、それすらわからない。

 ただ、目の前には 《そのひと》がいて、《そのひと》は、笑ってる。微笑みを見せてくれている。顔は見えないのに、その表情は笑ってる感じがするんだ。その笑顔は 素敵で愛しい。

 でも、それで終わりだった。それ以上は 思い出せない。あの場所に居続けたのも、そのひとに会う為に、思い出す為だったのかもしれない。

「う…ん……」

 ゼクトが 思い出せないのは今までもずっとだった。だけど、それは今は置いておく。それよりも、今の自分の状況の方が大事だった。

「え……っと……(確か 今まで、変な連中に…連れて行かされそうになってて……。拒んでも…拒んでも…、しつこくて……最終的には……実力行使で……)」

 そう、何度も何度も連中はやって来た。だから、ゼクトは抗ったんだ。大切な場所だから…、離れたくなかったから。

 でも、ここで、不可解なところがあった。

「ここ……は……あの場所じゃない……? でも、離れてるのに、こうも落ち着くのは……なんで?」

 そう言う事だった。
 あの場所から…離れるときは、狩をしに森や山へ行くときくらい。そういった理由があるのだから、離れるのは問題ない。別に縛られている…と言った訳ではない。あくまで自分の意思に従っているだけだ。それが 今は、この場所にどうしているのかが判らない。

 そして、初めてきた場所だと言うのに、落ち着く。心から落ち着く理由が判らなかった。

「ええ…っと……こ
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