第4話 目覚めたら妖精の尻尾
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思うが、オレと戦る前はずっと寂しそうな目ェをしてたんだ」
ギルダーツはそう感じていた。そして、マカロフの方を見た。
「こんなガキ……、あのまま 放っておく訳にゃいかねえーだろ? マスター。初めにも言ってたしな?」
マカロフが心配ない、と確信できる最大の理由がギルダーツがゼクトに向けている目だった。もしも、本当に危険な者なのであれば、まず 小さなガキの多いこのギルドにつれて帰ったりはしないだろう。
そして、先ほどでも言ったとおり、ギルダーツの目だ。それは、ガキを心配している親の目そのものだったから。
「はははっ! そうか、わかったわい。」
マカロフは笑みを見せた。
「そのコはうちで預かろう! 評議員の連中にも問題ないと伝えておくわぃ」
「サンキュッ、マスター」
マカロフの決定を訊いて、ギルダーツは手を上げたその時だ。
『おらーーー!! ギルダーツ!!!』
『コラナツ!! 何してやがる!』
『そーよ! 中にけが人がいるんでしょ? そんなトコで暴れちゃだめだよ!』
突然、外が騒がしくなってきた。大体察したギルダーツは 軽く首を回すと。
「ふう……騒がしくなってきたな。まぁ 今朝約束したのは事実だし。ちょいと相手してくるわ。マスター」
ギルダーツは、そう言うと外へ向かっていった。ギルドの子供達の相手をする為に。
「やれやれ……」
マカロフは ギルダーツ同様ため息をしていた。
だが、その表情は笑顔そのものだ。
「マジ、元気じゃのう。……いやマジで。なーんも心配要らんな。このギルドの未来は」
笑顔のまま、マカロフはベッドで寝続けるゼクトを見た。それなりに騒がしくなっても起きる様子が無かった。
「……寝顔は 本当に年端も行かぬ子供そのものじゃ……。じゃが」
マカロフは、寝ているゼクトの顔に手を当てた。眠っていても、魔力を有している以上、感じる事は出来るのだ。
「むぅ……、これは 感じた事のない魔力を感じるな。確かに、魔力の底が見えない」
寝ていても、ゼクトから発する魔力は健在だった。いや 常人のそれ以上に多いと言う事は判る。生きとし生ける物は例外なく眠る時は無防備になると言うものだ。だが、その気配さえ見えない。まるで、意志を持った魔力。……眠っていてもゼクトを守っている様だった。
おそらく、評議員の連中もこの不思議な魔力を視て、強引な捜査に踏み切ったんだろうと思える。
「ん……ん〜〜……」
マカロフが、手をゼクトに宛がっていると、くすぐったそうに、表情を歪ませていた。
「おっと、悪かったの……」
マカロフは、すぐに手を除けた。
「目を覚ましたら聞けるじゃろう。今はそっと
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