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東方乖離譚 ─『The infinity Eden』─
episode4:程度の能力
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話をしよう。
別に某大天使ではない。『あれは三十一万……いや、一万四千年前だったか』とかは言わない。いやまあ言ってるんだれけど。
閑話休題
(
それはさておき
)
まず『程度の能力』というものについて話そうか。
程度の能力とは、東方Projectにおける異能の名称の一部だ。
まあ、例として有名所を挙げてみよう。
手始めに人間である十六夜咲夜。彼女は『時間を操る程度の能力』を持っている。
実に分かりやすい。要するに『時間を操る能力』だ。即答できる。
次に495年の時を生きる吸血鬼、フランドール・スカーレット。『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』持ちだ。
その効果は単純明快、文字通りありとあらゆるものを破壊するのだ。それ以上でもそれ以下でもない。
さて、事情を知らない人からすれば「それの何処が『程度』だよ!」とでも言いたくなるような能力ばかりだ。勿論、チート能力だけが東方ではない。キチンと弱い能力も存在するし、能力が弱い
=
(
イコール
)
弱いではない。先程遭遇した風見幽香などその最たる例だ。
ちなみにここで誤解を解いておくと、東方に於ける『程度』は差別的意味合いを持つものではない。
よく小説や漫画、ゲームなんかで出てくる『その程度か……』みたいな侮辱的意味合いは一切非ず、大体の測定などで使われる──例とすれば、『水200~250ml程度』の『程度』だ。それを大まかに表す一つの言葉に過ぎない。
要するに、東方における『程度の能力』は『大体そういった事が出来る』という事を表すものなのだ。
……とは言ったものの、実はこの程度の能力、何らかの測定で判別されると言う訳ではなく、あくまで所持者の自己申告制なのだ。
故に、本来能力に当たる強力な力を持っていても、何らかの事情で別の些細な事を能力として定める者も居る。
実例として居るのはお燐──火焔猫燐だ。
火車の妖怪である彼女は「死体を持ち去る程度の能力」と自称しているが、お燐は努力の末に得た力として怨霊や死体を操る能力を持っている。死体を操れば擬似的な軍隊を作る事も可能な上、怨霊を操るというのは妖怪にとって非常に恐ろしい能力なのだ。
理由は簡単。妖怪は怨霊に憑かれると死ぬのだ。
その理由については追々話すとして、要するに対妖怪戦においては、原理は違えど
幽々子
(
死を操る程度の能力
)
と似たような事も出来るのである。恐ろしい事この上無い。
──さて、長々と語ったが、今重要なのはたった一つのみ。それは『自分の能力については、持ち主が一番良く知っている』という事。目覚める前にいくら力が未知数だろうと、能力を得た途端にそのあらゆる効果が手に取るように理解できるのだ。不思議ではあるが、『それ』を自覚した途端に
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