暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
Fate/stay night
1171話
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の手を握りながら境内の奥の方へと向かっていく。
 これ以上言っても俺が手を離さないと理解したのだろう。凛もそれ以上は何も言わずに俺の後へと付いてくる。
 セイバーや衛宮、イリヤの3人もまた同様に、俺の後ろへと付いてきた。
 そのまま進み続け、やがて巨大な池へと到着する。
 原作でワカメ……いや、間桐……それだと桜と被るか。慎二が聖杯を埋め込まれて放り込まれていた場所だ。
 もっとも、この世界では記憶を失っていた時の俺が慎二の頭を握り潰して殺したが。
 記憶を失っていても結局死んだのを考えると、俺と慎二の相性ってつくづく悪かったんだな。
 そんな風に思っていると、不意に手を引かれる。

「ちょっと、アークエネミー。どうしたの? この池に何かあるの?」
「いや、何でもない。寒々しい景色だと思ってな」
「そりゃそうでしょ。今は2月なんだから。あと2ヶ月もすれば、春の景色を見られるんでしょうけど」

 そうなんだよな。この世界だと、この池って全く何の意味もない、普通の池でしかない。
 そんな風に考え、先程のスライムが感じた場所へと向かって進んでいく。

「ねぇ、そろそろ手、離してもいいんじゃない?」
「嫌か?」
「べ、別に嫌って訳じゃないけど……」
「ならいいだろ。俺が凛と手を繋いでいたいんだから」
「なっ、ななななっ! あ、あんたねぇ! ストレートに何を言ってるのよ!」

 先程よりも顔を真っ赤に染めつつ、それでも凛は俺の手を離さないでついてくる。

「……熱いわね」
「そうか? 寒いくらいだと思うけど」

 イリヤと衛宮のそんな言葉を聞きつつ、池の近くから脇道へと入っていく。
 そのまま獣道……とまではいかないが、かなり歩きにくい道を進んでいくと、やがて大きな洞穴が見えてきた。
 聖杯戦争の根幹でもある、大聖杯の存在する空洞……龍洞だ。
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