Fate/stay night
1171話
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件はともかく、こっちの2人に柳洞寺を見せたいんだけど、構わないか? ああ、勿論寺の中に入ったりはしないから安心してくれ。それに、爺さんの墓参りもさせたいし」
そう告げる衛宮だが、実はその言葉ってかなり正論を得ているんだよな。
イリヤは言うまでもなく切嗣の実の娘だし、セイバーは切嗣のサーヴァントとして前回の聖杯戦争を勝ち抜いている。
その辺を理解したって訳でもないんだろうが、雰囲気を感じ取ったのだろう。柳洞は小さく咳払いをしてから口を開く。
「済まぬ。女怪をこの目で見たのでついな。……うちの寺はそれ程見るべき場所も多くはないと思うが、それでもよければ見ていくといい。出来れば案内をしたかったのだが、頼まれ事をしていてな。出掛けねばならんのだ。……よければ、誰かに案内させるが?」
「いや、大丈夫。ここには墓参りとかでも何回か来てるから、その辺は大体分かるよ」
「そうか? うむ、では済まぬがこの辺で失礼させて貰おう。ゆるりとしていって欲しい。ただ、寒いから身体には気をつけてな」
柳洞は確かに急いでいたのだろう。それだけを告げると名残惜しげにだが俺達の前を去って行く。
……もっとも、名残惜しげなってのは、俺達に対してじゃなくて衛宮に対するものだろうし、何よりも凛が衛宮に悪影響を与えないかってのが心配なんだろうが。
「まったく、誰が女怪よ。いつかきっちり話を付けないといけないわね」
凛が不愉快そうに呟くのを、衛宮が困った笑みを浮かべて眺めていた。
「そう? 凛が女怪というのはあながち間違っていないと思うけど?」
「……へぇ。随分と面白い事を言ってくれるわね。寧ろそういう意味ではイリヤスフィールの方が相応しいんじゃなくて?」
「いやーん。士郎、凛が私に言い掛かりを付けてくるー!」
衛宮を盾にするように後ろに回り込むイリヤ。
いやまぁ、うん。姉弟同士仲がいい事で。
凛が衛宮をジトリとした視線で睨み付けており、衛宮は焦って何かを言おうとしている。
そんな様子を眺めていると、今まで黙っていたセイバーが口を開く。
「遊んでないで、大聖杯とやらのある場所に行きましょう」
その言葉は、極めて真面目なものだった。
まぁ、セイバーは本気で聖杯を欲しているからな。その賞品がおかしくなっているかもしれないとなれば、それはふざけてはいられないだろう。
「アークエネミー、お願いします」
「分かった。……行くぞ」
セイバーの求めに応じ、凛の手を握って引っ張って行く。
「ちょっ、ああ、もう。分かったわよ。だから、手!」
俺に手を握られているのが恥ずかしかったのか、頬を薄らと赤く染める凛。
……今更手を握ったくらいで照れる事もないだろうに。
凛の抗議に耳を貸さず、そ
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