30 サント・アンヌ号
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さん」
イミテ「可哀想な人なんですね……」
男「わしのことは、こうようとでも呼ぶんじゃな」
グリーン「こうよう? 変な名前だな」
男「……君たち、急いでおったんじゃな。わしについて来い」
男が港の桟橋からモンスターボールを投げると角の生えた怪獣のようなポケモンが現れる。
そのポケモンは港に飛び込むと大きな波紋を立てて沈み、やがて浮き上がってくる。
男はそのポケモンの背中に飛び乗り、グリーンとイミテもそれに続く。
男「サイドン、波乗りじゃ!」
グリーン「波乗りできんのかよ!?」
3人を背中に乗せるとサイドンは勢い良く泳ぎだす。
目の前に防波堤が見える。
グリーン「ぶつかるぞ、おっさん!」
男「サイドン、突進じゃ!」
防波堤は瓦礫と化す。
乗っている者に衝撃を感じさせないほど重く力強い突進である。
防波堤が囲う港の中に入るとサント・アンヌ号を間近に臨む。
桟橋が船の乗り口から離れるのが見える。
グリーン「船が出るぜ、おっさん!」
男「こっちじゃ!」
3人はサイドンから波止場に降りる。
近くにトラックが1台停まっていて、男はドアを開ける。
サント・アンヌ号は波を立てながらゆっくりと発進して波止場のグリーンたちの間近を横切ろうとする。
大きな船体が大きな汽笛を鳴らす。
グリーン「トラックに乗ってどうすんだよ!」
男はスロープから灯台のある高台と船の甲板を、人差し指で放物線を描きながら差す。
グリーン「ま、まさか……そんなジャッキー・チェンみたいなマネを。
さっきのサイドンの波乗りもだけど、なんておっさんだ……」
男「アクション映画の観すぎなものでな。
これしか方法はない!」
男は1度、咳払いをする。
男「君たちがここまでロケット団を追って来れたのは君たちだけの力ではないことをわかっとるな!」
グリーン「当たり前じゃねーか。
フーディンがいなかったらロケット団とあそこまでやり合えなかった。
……まあ、今まで負けてきたけど最後は勝つぜ!
そしてブルーを取り戻すんだ! なあ、イミテ!」
イミテ「はい! 必ずブルーにこのゲンガーを返します!」
男「君たちとポケモンの絶妙なコンビネーション! 見事だったぞ!」
グリーン「見てきたようなことを言いやがる、このおっさん」
男「それでは……
荷台に乗るんじゃ!」
男は運転席に、グリーンとイミテは荷台に乗るとトラックは急発進する。
男「しっかり掴まっておれ!」
グリーン「言うのがおせーんだよ!」
急発進で頭をぶつけた後である。
グリーンはイミテを片手でしっかり抱きしめ、もう片手で取っ掛かりを掴み、柵を両足で踏ん張って身体を固定する。
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