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ウイングマン バルーンプラス編
4 避難
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1.

世界が動き始めた、ということは今はこの姿を人に見られる可能性があるということだ。
「アオイさん、どれくらいここに隠れないといけないんですか?」
美紅にそう言われて、アオイは自分の手のひらに軽くディメンションパワーを集中させてみた。
なんとなくは今の状態はわかった。だが、ことがことだけに、いい加減な判断は身を滅ぼす可能性があった。
慎重に自分のパワーがどれくらいあるのかを確かめてみた。
しかし、思ったより集めることはできない。
「そうね、最低でも30分くらいは……」
敵と戦った直後にポドリアルスペースを作ったのだ。しかもその直後には周囲を注意しながら走ってここまできた。
普通に考えても体力の消耗が激しいのは当然だった。
「結構かかりますね……」
その時間を聞いて、美紅も桃子も疲労が少し顔に出て、思わずこぼしてしまった。

これから30分−
人影に怯えながら過ごさなければいけない。すごく長い30分になりそうだ。
しかし、仕方がないことなのだ、アオイだって一刻も早くこの状況を早く抜け出したいと思っているのだから。
「30分くらい大丈夫ですよ、ここにそんなに人が来るとは思えないし」
桃子はすぐにほほ笑んでフォローの言葉を添えた。この場所を提案したのは自分だし、それなりに安全な自身はあった。
「そうよね。うん、大丈夫!」
美紅も慌ててそれに合わせた。
そして、微笑んでみせた。


しばらくは桃子の思惑通り、何も起きなかった。
何人か入り口付近を通った気配を感じてドキドキはしたが、結局地下駐車場に入ってくる人間は1人もいなかった。
どれくらいの時間が経ったのかはわからないが、神経を研ぎ澄ましていたことで、3人にはとても長い時間に感じられた。すでに1時間以上は経ったような気がするがするが、入り口から入ってくる日差しから判断すれば、そんなに経ってるわけはなかった。
アオイはずっと手を見つめてディメンションパワーの回復を確認していたが、まだポドリアルスペースを作れるまでに回復はしていないようだった。


「特ダネの気配を感じるわ……」
入り口の方から女性の声が聞こえてきた。
3人にはその声は、聞き覚えのあった。
よく知っている声だった。
嫌な予感がする。
そして、3人の額に冷や汗が流れた。
声の主は布沢久美子だった。
「なんで布沢さんがこんなところへ!?」
3人は顔を見合わせた。
ここは久美子の家ではない。それは桃子も知っていた。
それに新築で学校の生徒がこのマンションに住んでいるという話も聞いたことがなかった。
恐らく久美子の友達の家でもないだろう。
本来なら久美子に用があるような場所ではないはずだった。
それなのに、どういうわけか、久美子が地下駐車場に入ってきたのだ。
アオイも
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