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ウイングマン バルーンプラス編
4 避難
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スが解消されたら、今の姿を近所に晒してしまうことになる。
それは桃子にとっては絶対に避けなければいけない状況だ。
「わかりました!」
桃子は猛ダッシュをかけた。そして、先頭に躍り出た。
「桃子ちゃん、速い!」
美紅は驚いた。
走る躍動感に合わせて年齢の割に豊満な胸が揺れた。
そして、汗でベチャベチャになった胸のトイレットペーパーは躍動する胸の動きに耐え切れずに、振り切られてしまっていた。
脱水機で水分が飛ばされるようにゲル状になったトイレットペーパーもボロボロと飛ばされていって、いつの間にか桃子の胸は完全にさらけ出されていた。
もう全裸と言ってもおかしくない状態だった。
しかし、桃子自身はそのことには気づいてはいなかった。
それくらい無我夢中で走っていた。

桃子が先頭のまま、広い道路を渡った。
そこから右折して1ブロック行くと今度は左折をした。
ここからあとは桃子の家まで一直線だ。
まだ距離はあるが、ここまでくれば迷うことはない。
2人とも自分の家を知っているはずだ。桃子としても、遠慮なくダッシュできた。
アオイも美紅もついてくるに違いないと思っていた。

アオイは不穏な空気を感じ、スピードを上げた。
やはりディメンションパワーは足りていなかったようだ。
空間の不安定さが肌で分かった。
ただ、桃子の家までそれほど距離はない。どこかに隠れてパワーを貯めるよりも猛ダッシュして桃子の家に逃げ込むのが得策と判断した。
「美紅ちゃんも急いで!」

いきなりダッシュを始めたアオイに、美紅は少し気後れした。
今までも十分急いでいるつもりだった。
ただ、本気のダッシュではなかった。本気でダッシュすれば、せっかく巻いたトイレットペーパーがどうなるか、想像はついていた。
激しく動けばトイレットペーパーは破けてしまうに違いなかった。
今でもすでに汗でもろくなっている。胸に巻いていたものはもともと薄かったが、幸い美紅の胸は激しく揺れるほど大きくはなかった。
それに胸だけじゃない。汗を掻けば下半身もやばくなる。実際、もうすでに危険水域に達していた。美紅自身、そのことは理解していた。
だから今までは少しばかりセーブしていたのだ。
恥ずかしいけど、それを我慢してできる限りの速度で進んでいたつもりだった。
しかし、ここまで来ればもう立ち止まるわけにはいかない。
恥ずかしがっていれば、2人から取り残されてしまう。
そうなれば最悪だ。
例えトイレットペーパーが大丈夫であったとしても、1人町中でふんどし姿を晒してしまうことになる。
「ちょっと、待って〜!」
慌てて美紅も全力疾走で走り始めた。

一番乗りは桃子だった。
普段なら、アオイや美紅よりも体力的には劣っている桃子だったが、途中で追いつかれることはなかった
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