第3話 ギルドの名前
[6/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
けど。きっと、薄いんだと思う。……オレはそんなに感情ないんだって………。だから…前に来た人たちも、追い返してるし…… その中には怪我させちゃった人だっている。……簡単にそんな事が、平気でそんな事が出来るんだから」
そう言っていた。
淡々と話をしているようだが、泣いている様にも見える。それだけでもよく判る。この少年が心優しいのだという事は。
「いーや、俺そんな風には思わねぇな」
ギルダーツは、少年の告白をあっさりと否定した。
「え…?」
当然ながら、困惑するのは少年だ。ずっと、思っていた事でもあったから。
「だってよ? 考えてもみろよ。……ここは、大切な場所なんだろ? 確かに 理由はわからねえかも知れねえが、そう言う強い気持ちを持ってる奴が、感情が薄いわけねえだろ。……それにお前、自分で気づいてるか?」
ギルダーツは、笑顔のまま、少年の顔を見た。
「お前、オレと戦ってる時、すげえ自然な顔をしてたんだぜ? 戦う前よりもずっと自然な顔をな。……感情が薄い奴にんな顔は出来やしねえ。オレが保証してやるよ」
ギルダーツはそう言い終えると、右手を伸ばして、俯きがちの頭を撫でた。
「ッ!!」
少年は、頭を撫でられたなんて 初めての事だった。
だから、戸惑ってしまったのだ。
「はは。お前はまだまだガキだ。確かに、魔力は無茶苦茶高い。それに力だってある。……正直、目を見張るものがあるが、内面はまったく見たとおりにガキなんだ。 そう言う奴には大人が教育する必要があるんだよ」
そう言って、撫でてる手の力が強くなった。遠慮なく力を込める。すごく雑に撫でられていると言う事は、幾ら初めてでもよく判った。
「つー訳もあってだ。……大人としては、やっぱし、お前の事を 連れて帰りたいと思ってるんだが……」
ギルダーツが手を離して、そう言うと同時に、少年の体が一瞬だが震えた。
当然、ギルダーツもそれを感じ取って手を上げた。
「……とりあえずは今日の所は止めとくわ。これから、長い時間をかけて様子を見るとするよ」
そう言うと、ギルダーツは片眼を閉じて、ウインクをした。
「だからよ。寂しくなったらいつでも相手してやるからな。お前はもう1人じゃねえ」
そう言うと、最後に少年の頭を軽く2度叩たたいた。
それは、本当に温かみのある手だった。
「で、でも…オレは……」
少年は、まだ複雑そうだったが、最後まで言わせずにギルダーツは続ける。
「お前は悔しくなかったのか? オレに負けてよ?」
ギルダーツがそう言うと同時にだった。
「なっ! オレはまだ負けてない! まいった、なんて言ってないっ!」
少年は、咄嗟にそう言ってし
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ