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竜から妖精へ………
第3話 ギルドの名前
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ーツが連れ帰ってきた子供についての話題が途絶える事は無かった。
















〜ギルド内・医務室〜




 ギルドの奥にある医務室のベッドにとりあえず子供を寝かせ、身体に毛布をかけた。
 
 規則正しい寝息が聞こえてくるから、唯眠っているだけだとすぐに判断した。外傷らしい外傷もなく、血色も良い。だから、ギルドの顧問医である 《ポーリョシカ》を呼ぶまでもないと判断していた。

「んで? どうしたんじゃ。この子は……」

 マカロフは、眠っている少年の顔を見ながら、ギルダーツに訊いた。
 ギルダーツは、それを訊いて軽く頭をかく。

「んーそれがよお……。後で説明する〜なんて言っといて、オレにも実はわかんねー事なんだよな。はっきりとは……」


 その後、ギルダーツは、今まであった出来事を。あの時に合った出来事の全てを話しだしたのだった。











〜回想 マグノリアの街 外れの渓谷〜



 
 それは、2人の渾身の一撃が交差し合ったあの時まで、あの地震が起こった後の時にまで遡る。



 あの2つの力から発生した大爆発と衝撃。それらが周辺の大地を砕き、砂埃となって舞い上げていた。

 その砂埃には、赤い夕日の光に照らされた2つの影が見えていた。その影は立っていたのだが、片方の影が、暫くして崩れ落ちた。




「ぐ……ぅ………く………ぁ……」


 地面に手をついたのは、それは小さい方の影の方、少年の方だった。


「……本当にやるな。お前。オレのアレ(・・)を受けて、衝撃を喰らっても まだ萎えねぇか?」


 ギルダーツは、完全に膝が折れ、地面に手をついていても尚、少年のその背中から伝わる闘志を感じてそう言っていた。

 余程、この場所が大切な場所だと見える。この場所を守る為に戦っているんだという事も判った。……何かを守ろうとする者は例外なく強いのだから。


「………オレは……お、オレ、は……」

 ギルダーツが感じた事は正しい。膝をついても尚、体に力を入れていたのだ。まだ 抗おうとしていた。最後の最後まで抵抗をしようとしていたのだ。

 そんな少年を見て、ギルダーツは笑っていた。


「……この場所を離れたくない…か? ああ、判ってるよ。いや もう判った。それで良い」


 ギルダーツはそう言った。

「……………え?」

 少年は、意外な言葉に、いや 予想外の返答に耳を疑った。

 
 自分自身は、これまで、数多くの大人たちを追い返しているのだ。それも1度や2度じゃない。だから、力で物を言えば、必ず 更に大きな力で反される。


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