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竜から妖精へ………
第2話 震天動地
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 互いに撃ち放つその拳が合わさったと同時に。込められた魔力の全てが解放され 2人を中心に大爆発が起こった。爆発は渓谷の地形を変え、大地を抉り、空にさえ魔力の軌跡を残す。

 揺れるその大きさは まるで震天動地。


 光は暫く止む事はなく、そのまま 中心に輝きを放ち続けていたのだった。



                                                     












〜マグノリアの街・魔導師ギルド〜






 そこでは、いつも通り、昼だと言うのに皆が騒いでおり、半ば宴を開いていたその時に、それは起こった。
 突如、大地が揺れたのだ。その地震は街全体を揺らし、街の象徴でもあるカルディア大聖堂の一面のガラス窓を数枚割ってしまう。


「ぶはっ!! な…なんだ??」
「じ…地震か!?!」


 街が揺れている、と言う事は当然 魔導師ギルドも震えている。カウンターの上に置かれていたグラス類は勿論、各テーブルに置かれた料理も散らばり、何人かは突然の揺れに耐え切れず、倒れてしまっていた。
 このギルドには子供たちもいる為、大変おびえている事だろう……と、思うのだが、それは違う。

「うっひゃああ! すっげーーっ! これが《じしん》ってヤツかぁ? オレ、初めてだっ!!」

 突然の大きな揺れにその場で、ハシャいでいるのは 先ほどギルダーツに突っかかっていっていたナツと呼ばれる少年だ。地震を経験するのは、初めてだから、新鮮で良かったのだろう。……災害なのだけど、関係ないみたいだ。初めての事に驚くのではなく、喜んでいたのだから。

「はぁ、アホか? お前は。なんで 地震が起こって嬉しいんだよ。後片付けとかめんどくせえじゃねえか」

 大笑いをしているナツを尻目に、ため息と苦言を言っているのは、半裸の少年《グレイ》だ。ナツとは犬猿の仲、とも言える相手。……喧嘩するほど仲が良い、と言ったりもするが 互いに決して認めないだろう。

 当然、ナツもグレイにそんな事を言われたもんだから、突っかかる。

「ああ!? おめーこそ! 何で裸になんのが楽しいんだよ! この変態がっ!」
「誰が裸だコラッ!! 下、履いてんだろうが!!」


 いつも通りの光景である。この喧嘩は。だが、ナツも確かに地震に喜ぶのはおかしいと思えるが、グレイもグレイでおかしい。確かに、履いている。でも 上半身が裸なのだ。



「も〜……ナツってば……。それに、グレイだって。ほんと、いつもいつも飽きないね〜」

 2人の喧嘩白い髪の女の子がため息を吐きつつ、それでも笑顔だけは崩さなかった。

「あははは……。まあ、いつもの事だ
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