第3章 リーザス陥落
第74話 ホッホ峡の決戦V
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そんな兵士をぽんぽん、と投げ続ける豪傑がいるのだから。
「っっ〜〜!! お、おい! クルックー! よく考えたら、なんで戦争なんかに参戦してるんだっっっ!!」
「はい。ユーリに頼まれましたので」
そう、クルックーである。
シスターでありながらも、格闘の技能をも持ち合わせており、人体に多大なるダメージを与える投げ技を打って出ているのだ。……因みに、彼女の鞄にまだしまわれていた《白いナニカ》が、あまりの振動、そして 戦争の熱気や喧騒にたまらず声を上げていた。
「そんな、あっさり答えるなよっ!」
「でも、トローチ先生も了承の上だったと思いますが?」
「そ、そりゃ、アイツの顔の広さを考慮したら、後々にバランスブレーカー回収に良い手だとは思ったが、限度があるだろっ!?」
「大丈夫です」
「なんだ! その自信は!!」
戦場だと言うのに、こちらもトマト達に負けない程賑やかである。
「ユーリがいますので。負けないと思いますよ」
「……………」
きょとん、としてしまうのは、トローチ。
先ほどまで、騒ぎに騒いでいた筈なのに。
「はぁ、お前、ほんとにヤられちゃったってのかよ」
「はい?」
「いや、イイんだ。……へんな男に騙されるくらいなら、こっちの方がずっといい。あのデブに比べたら全然マシだ」
ずっと、クルックーの傍でいたからか、妙な親心も持ち合わせているトローチは、そうブツブツと独り事を始めていた。
当然、クルックーは何言っているのかわかってないから、ただただ首をかしげていたが。
「おい、せめて 仲間達の傍にいろよ。クルックーの安全もそうだが、ヒーラーとして、頼りにされてるんだろ? ……ユーリから!」
「っ……。はい。そうですね。少し、前に出すぎていました」
クルックーは、最後に1人を投げ飛ばしたところで、ランやトマト、ロゼ達と合流をしていた。
「いやぁ、アンタもヤルわね? 修羅場をくぐってきた動きってヤツじゃない?」
「ロゼさんも、流石だと思います。……悪魔を使役しているのは、Al教のシスターとしては、見過ごせない気もしますが、今は戦時中ですので」
「物分りが良いコは好きよん?」
ロゼは、笑いながら。クルックーは至って普通に、周囲の仲間達に神魔法を唱え続けていた。ロゼの周囲は完全にダ・ゲイルがシャットアウトしているから、実質回復に専念する事が出来る。……今の所、悪魔を上回る敵がいないから、解放軍側が負ける事は無いだろう。数で圧されてしまえば話は別だが。
「しーっかり、このコの教育をするのよ? ま それも大変だと思うけどね」
「はい?」
「ああ、そっちの鞄の中にいるコに声かけただけ」
「っっ!!」
「………」
あっさりと見抜かれてしまっ
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