第3章 リーザス陥落
第74話 ホッホ峡の決戦V
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事が無い様に、と教会での教えを説き続けている。なのに、どうしても争いと言うのは起こってしまうのだ。言葉だけでは解決しない。時には、武力に頼らざるを得ない事も、知っているから。
「ま、そういうので、メシ食ってるロクデナシだって、この世にゃごまんといるからな。……裏を返せば、冒険者だって紙一重だ。まぁ あいつらに比べたら、こっちの八方美人 ユーリは可愛いもんだし、オレも随分……っとと」
ミリの軽口、そして歩みが止まった。
「ミリさん……?」
「……しっ、どうやら、奴さんら来たらしいぜ。いや、これはもう戦ってるのか……? トマトの部隊、もしくはランの部隊か……」
ミリは耳をすませつつ、そう呟く。
セルも同じく黙って耳を澄ませると……、重苦しい軍靴の音が、近づいてきている。その音の間隔は非常に短いのと、慌ただしく大きいところから 重い装備で走っているのが一目瞭然だ。
「ふむふむ………」
ミリは耳をすませた。
彼女の身体には 悪性の病巣が渦巻いているのだが、それを踏まえても 身体能力は非常に高い。その1つの聴力もそうだ。体力をあまり必要としないから、集中すればする程、冴え渡る。
『てりゃあーーー!! 一気に攻め込むですかねーー!!!』
『はいっ!! 炎の矢!!!』
これは女の声である。
勿論知った声だ。
「はははっ! 先を越されちまった様だな!」
「ミリ隊長、我々も!」
「だな! 挟み討ちにして 食い散らかしてやろうぜ!!」
「……御武運を、傷ついた方は、私が癒しますから……!」
本道程の規模ではない戦闘だが、それにも負けない激しさと熱気、そして命の散らしあいが始まったのだった。
トマトの部隊とランの部隊が潜む枝道は、比較的傍だった事、そして 本道からの撤退が思いの外早かった事も相余って、殆ど同時にトマトとランの部隊は、奇襲攻撃を仕掛けた。
勢いのままに押し切る事が出来た為、そのままスムーズに2つの部隊は合流する事が出来たのだった。
「トマト・すぺしゃる! 行くですよーーー!!」
トマトは、剣をざくっ! と相手に突き刺したのと同時だ。
「れんごく・らんせん。トマトVerですかねーーー!!」
吠えつつ 撃ち放つトマトの必殺技。それは、某憧れであり、大好きであり、抱きしめたい人No1であり……etc の冒険者が使う必殺技。
懐に一瞬で飛び込んだかと思えば、更に殆ど一瞬で無数の剣?を身体全体に撃ち放つ。そして、あっと言う間に相手は吹き飛んでしまうのだ。
無論、トマトにはそこまで、剣を振るう腕力、そして 一瞬で間合いを0にする様な脚力を持ち合わせていないから、代用品を盛大に利用。
「りゃりゃりゃりゃりゃ〜〜〜〜!
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