第3章 リーザス陥落
第74話 ホッホ峡の決戦V
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の事である。その手には、あのメガネが握られており、今ランスの魔の手? から身を守ってくれている命令も頭に残っている。
――……これからも、ずっと……ちゃんと線引きを続けられるのか、出来るのか?
主に考えているのは、その部分だった。
この時の、フェリスは気づいてなかった。
《これからも、ずっと》と自然に考えてしまっていた事に。……以前までは、早く解放されたい、と強く願っていた筈なのに。……そう 思ってしまっていた事に。
枝道のひとつから、回り込む影があった。
勿論、何処からでも見える強烈な光を見た時に、行動を開始したのだ。敵側にも見えると言う欠点があるものの、何の合図なのか、それを判る由もないから、利点の方が圧倒的に大きいのだ。
「うし……、合図が来た様だな。動くぜ」
ミリの部隊も進撃を開始した。
もう戦闘も大分佳境だと言う事は、潜んでいても判るのだ。チューリップ3号の轟音、そして戦闘の狂騒、それらが常に聞こえ続けているのだから。
「よーし……こっちからもいくぜ。芋野郎共の脇腹を抉ってやらねぇとな」
ミリのその言葉に、部隊の兵士達も頷き、進撃を始めた。
そんなミリの傍らにはセルが控えている。
「ミリさん」
「お、どうした? セル。……ん〜 そういや 良かったのか? カミサマに仕える身で戦争なんてよ? ロゼに染まりそうな気がするぜ」
「そんな事には、成りえませんから 安心してください。私が、改心・更生をさせてみせますので」
その眼には、燃える炎が宿っている事に気がついたミリ。
ロゼはひらひらと躱し続けているが、この分じゃねちっこい説教が続きそうだと言う事が判る。……そして、幾ら言っても暖簾に腕押しだと言う事も同時によく判る。
「ははっ ま、茨の道だろうよ。ユーリの奴を落とすのと同じくらいにな? 頑張んな」
「……はぁ」
セルはため息を吐いてしまっていた。
……ユーリの事は、セルもよく判っているのだ。よく判っているからこそ、ミリの言う茨の道も重々承知、理解してしまったので、改めてため息を吐いてしまったのだった。
「戦争の件ですが、AL教では 自衛のための戦いまで、否定はされてませんよ。……それに、彼らがいては、またレッドの様な蹂躙が行われるでしょう」
「そりゃーそうだな。あいつらだって、戦争するからにゃ、略奪だってする。しなゃ始まらねぇだろうし。……人の豪って奴だよ。異常な状況下での略奪は 良心なんてもんは薄れちまう。いや、無くなっちまう、と言う方が正しいかもな」
「……はい。本当に痛ましいことです」
セルは、その様な
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