第3章 リーザス陥落
第74話 ホッホ峡の決戦V
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ていた。(ランスが用意をさせていたから)
「がははは! さっさとするのだー! お前はオレ様の命令を訊かんからな。これはお仕置きだー!」
フェリスが嫌がる事はよく知っているランス。
だから、ここぞとばかりに大笑いをしてそう言っていた。ちょっと幾ら悪魔でも女のコに、と思うところも当然ながらあるのだが、フェリスとの出会いを考えたら、正直自業自得の部分も拭いきれないのも事実。
ランスの魂を取ろうとしていて、爪を誤ったのはフェリスだから。真名を知られたのはロゼと言うワイルドカードのせいだとしても。
だけど、今回は完全にフェリスが上手だった。
「えと、これを引けばいいんだったわね。よっと」
なんの躊躇もせずに、引き金をひいて、空に向けてチューリップを撃ち放った。特別に仕込まれた弾が中空で炸裂し、白く光を放つ。……悪魔のフェリスにとってはそれだけでも苦痛の筈なのだが。
「がははは! ……む? 何故そんな普通なのだ?」
嫌がる様子を見せないフェリスを見て、訝しむのはランスだ。
「はぁ。何度これ、やってると思ってんのよ。流石にもう慣れたわ」
ため息を吐きながらそう言うフェリス。そんなフェリスを見て面白くなさそうにランスは舌打ちをすると。
「ちっ 嫌がるフェリスを見てやろうと思ってたのに。もういい。次からシィルがやれ」
「え? あ、はい……」
「ふん。相変わらずの外道……」
フェリスは、そう呟きつつ、ちゃっかりとつけていたメガネを取り外した。
これは 《呪音のメガネ》。
目の前が真っ暗に染まってしまい、殆ど見えなくなってしまう呪いの装備であり、メガネの癖に 追加効果は聴覚にまで及ぶ。 と、言っても耳元で、只管『のろい〜〜? うすのろ〜〜? カメやろう〜〜?』と訳の判らない鬱陶しい囁きを延々と聴かされるだけだ。一度装備すると、外せなくなる様な効果は無く、いつでも外せる。
以前、あのチューリップ1号の光で 目を辛そうに擦っていたところを、ユーリに見られたらしく、その時に渡された。折り畳みタイプの為、非常に持ち運びが便利且つ、こそ、っとつければバレない。 更に、悪魔に対して呪われた装備など、片腹痛い、と言うものであり、影響も人間に比べたら無いも同然なのだ。
「はぁ………。私、ちゃんと出来るのかな…………」
ついつい、声に出してしまうフェリス。
「こら! 出来るのか? じゃなく、するのだ! きりきり働け! 下僕!」
「っ……はいはい。わかってるわよ。戦争に関係ある分は、働くから……(夜間の間に終わって欲しい)」
フェリスは、ランスの苦言に手をひらひらとさせながら、そう返していた。
因みに、フェリスが『出来るのか?』と言ったのは、まるで別
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