第3章 リーザス陥落
第74話 ホッホ峡の決戦V
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「ぶへっ……。ふん。良い男は噂話が尽きんな。がははは!」
盛大にくしゃみをした理由が、誰かが自分の噂をしていたから(良い方向に)と決めつけつつ、大笑いをしているランス。勿論正解なのである。……この時は珍しくも悪口も若干入っているとは言え、ランスを想っているマリアのモノだった。
「ふむふむ。流石は戦闘大好きなガキだな。オレ様には遠く及ばんが、ちゃんと頑張っているようじゃないか。それに、命令通り 志津香とマリアのお守りもしているな。……ふむ、だが、手を出さん様に見張ってなければ」
ランスは双眼鏡を覗き込みながらそう呟いていた。
景気の良いチューリップ3号の砲撃音、そして眼下に広がる戦いの音をBGMとし、鼻歌さえ歌っているランス。……それ程までに、解放軍が圧倒をしているのだ。
「はぁ、アイツがそんな事する訳ないだろうに。……ま、志津香の蹴りを何発かはもらってそうだけど」
「お? よく分かっているではないか。下僕。丁度今、志津香の蹴りを受けてるところだ。馬鹿め、襲おうとして返り打ちにあった様だな? 志津香を抱くのは至難の業。今のところ、攻略法はオレ様でも 模索中だと言うのに」
ランスは、気分良くそう言っている。
この気分を害して、色々と面倒な事を押し付けられるのも厄介だと思ったフェリスは。
「あー、はいはい。ソウダネー」
と、返すだけに留まった。
因みに、今はユーリがフェリスを召喚している状態。故に絶対命令権はユーリにあり、別にランスに従わなくても良いのだ。……勿論、戦争に関係がある範囲では逆らえないのだが、普段のに比べたら何倍もマシだ。
「がははは!」
フェリスの棒読みを全く気づかず、そのまま笑い続けるランス。 だけど、シィルは不安そうに見ていた。ランスの様に双眼鏡を持っている訳でもない為、戦況がはっきりと判らないのだ。
「ランス様。みなさんは、大丈夫なのですか……?」
「がはははは。オレ様の下僕達は、そう簡単に死なん!」
ランスはそう一言だけ言っていた。それだけでは不安が尽きないのだけれど、とシィルは思ったが、それ以上突っ込んでは聞けなかった。
そんなシィルを見たフェリスは 軽く笑い。
「大丈夫だ。シィル。正面の連中は ほんと、見たとおりユーリ達が蹴散らしていったよ。チューリップ3号、いらなかったんじゃないか? って思えるくらいの快勝だ」
「あ…… そ、そうなんですか?」
「ああ。だから 安心しろ。ランスの言葉じゃないが、ユーリは、……あいつらは簡単には死なないよ。悪魔の私も太鼓判を押す程だ」
悪魔の代名詞とも呼べる大鎌を肩に担ぎ、僅かにため息を吐きながらそう言うフェリス。何処か呆れてしまう程の強さだった様子で、それがため息をして現れた様だ
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