第3章 リーザス陥落
第74話 ホッホ峡の決戦V
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駄遣いして、妹に ミルに負担をかけたくないしな」
苦痛があるのか、ないのかが判らない。
本当のいつも通りのミリだった。
生きる動力となっているのは 妹の為に死ねないと言う事もあるし、それに……。
「……ユーリさんの事を 信じているんですよね」
「ああ、勿論だ。アイツなら 不可能を可能にするって思ってるよ。はは、ユールには 色々と魅せられ続けてるからな?」
「………」
「ま、セルはユーリとの付き合いもまだ短いから なんとも言えないんだろうけど。アイツは違うんだ。これはマジだぜ? なぁ ロゼ」
「ま、そうね。この中では私が一番古い付き合いだけど、太鼓判を押すわ。これは信じてくれて良いわよ? セル」
普段のロゼには言いたい事が沢山有り過ぎて 言葉を纏めるのが難しい程なのだが、今回ばかりは言葉は無くただただ 頷くだけだった。
セルも、ユーリの事は信じているから。
……レッドの街を救ってくれたあの時からずっと。いや ヘルマンの恐怖から、ずっと涙を流しながらも、ユーリの事を信じ、最後まで諦めなかった優希から ユーリの話を訊いてからずっと。 どんな辛い時も 絶望しかけた時にも 支えとなってくれる存在信じられる存在。まるで、AL教で言う女神ALICEの様だったから。
「さてと!! もうこの話はお仕舞いだ。大丈夫。オレも何一つ心配していないぜ! この戦争も、オレ自身もな!!」
ミリは、両手をしっかりと上へと突き上げた。
まだ、残敵と戦っている者達の士気をさらに上げるため、敵の戦意を下げる為に。
「おらーーーー!! ヘルマンども! お前らの小隊長は死んだぞ!!」
ミリのその言葉は解放軍の鬨の声をさらに上げ、ヘルマン軍の悲鳴を誘った。人数では優っていても、完全にやられた、失敗したと悟ったヘルマン軍の勢いがなくなり、さらに逆に解放軍の勢いは増した。
「……私も、信じます」
「そっ。それで良いのよ。私もなーんにも心配なんかしてないから。心配するだけ損ってもんなのよ」
ロゼとセルは、そのまま あとに続くのだった。
そして、ミリ・トマト・ランの部隊は無事に抜け、ヘルマンの本隊と先遣隊が分断する事が出来た。
その戦況も勿論 ランスはしっかりと確認をしている。
「ほうほう、よし! ミリ達の所も上手くやった様だな」
双眼鏡で確認し 問題なく分断されたのを確認したランスは次の指示を出す。
「よし、シィル。次だ。発射しろ」
「あ、はい。えいっ!」
シィルは、「2」と印されているチューリップを手にして、天にかざす。暗い空に第二の合図が轟音とともに輝いた。
「……こうやって、苦もなく光を見れるのも、悪魔になって きっと初めてだな」
フ
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