暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
継承編 決起
[4/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
の黒き戦乙女の加護に導かれし彼の戦士の魂が潰えし時 人の未来は星を越える意思の手で虚空へと消え去らん】

ええ、一言一句、一度たりとも忘れてはいないわ」

「わざわざ見えるように出してくれて感謝します。それで……兄様が消滅してしまったのは既にご存じで?」

「はい、全て聞いています。サバタさんだけでなくマキナの事も、そしてニダヴェリールの生き残りの少女の事も。月詠幻歌を継承していたその少女は、管理世界の人間を恨んでてもおかしくないのに、それでもサバタさんと共にこの世界を守るために頑張ってくれました。サバタさんが彼女の心を支えてくれたから、彼女が月詠幻歌を歌ってくれたのに、最後にあんなことになってしまうなんて……」

「これだけの力があっても、私達は結局彼らを守れなかったわね……。自分の無力さを強く思い知らされるわ。それで察するにリインフォースさんはサバタさんの消滅を、魂が潰えし時、と解釈しているのね?」

「……そうです。兄様が消滅した事で、銀河意思ダークの本格的な介入が始まるのではないかと思うと不安で……」

「そこはすぐにわかるものでもないから、しばらく様子を見るしかないけど……その前の魂が潰える=死って、正直な所、少し安直な考えだと私は思うわ」

「安直……ですか?」

「魂が潰える、というのは彼から教わったもの、受け継いだもの、育んだ心を失う事を意味するんじゃないかと、私達は考えているのです。サバタさんははやてさんやマキナ、皆さんに何度も未来を託すような言葉を繰り返し伝えていたように思うのですが……そこは当事者の一人であるリインフォースさんの方がよくご存じのはずでは?」

「…………言っていた……確かに兄様は私達が生きて、次の世代に命を繋げるように伝えていた。そうか……そうだったのか……。私達は既に兄様の魂を受け継いでいる、一人一人異なる欠片としてだが、確かに受け継がれている。兄様の魂が潰える時とは即ち、私達が兄様の教えを忘れて道を踏み外した時……もしくは次の世代に伝える事が出来ず、命尽きてしまった時……つまり私達が生きている限り、兄様の魂は消えないという事なんだ」

逆に言えば私達が死ぬのは、兄様の魂を潰えさせる事になる。だから兄様は何度も“生きろ”って伝えてくれていた……答えは何回も教えてもらっていたのに、今までそれに気づかなかったなんて……やはり私は気付くのがいつも遅すぎる。後悔しても何も始まらないのはわかるが、それでも後悔したい、懺悔したい、謝罪したい、そして……許してもらいたい。だけど兄様はもういない……だからこの“幻肢痛(ファントムペイン)”は未来永劫、私達が背負っていかなくてはならないのだろう。

心にぽっかり空いた悲しみを改めてひしひしと感じ、ほろりと涙を流して俯く私をカリムとシャッハは黙
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ