継承編 決起
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哀しくて……涙が出てしまう。丸く収めるのはもう不可能なのかもしれない……でも私はどちらも救いたい。一体、どうしたらいいのだろうか……。
「はぁ……駄目だな、私は。こういう時に兄様さえいればと、どうしても思ってしまう……。ずっと彼に頼ってきた報いが、今ようやく回ってきたのだろうな……」
「僕達でさえサバタさんがいなくなった影響はこんなに大きいのに、依存に近い形で懐いていたはやてはそれ以上の空虚感に襲われているだろうね。ただ、素人目から見るとマキナはシャロンを守るために自立しようとしていたし、フェイトとアリシアもプレシアさんがまだ生きているから、こっちの方は多分何とかなっていると思う」
問題はシャロンが吸収されたって所なんだけど、そこはさっきユーノが言っていた兄様の仲間の少女達に任せるしかないのかもしれない。私達ではきっと琴線を刺激して、会う度に憎しみを増加させるだけになってしまうから……。
話は変わるが、なのはとクロノのリンカーコアは深刻なダメージを負っていたものの、月詠幻歌のおかげで奇跡的に回復したらしい。かといって後遺症が無い訳ではなく、魔導師ランクが1か2程度下がるようで、更に過度な使用は身体により大きな負担をかける事になるそうだ。それでクロノはリンディから艦長の座を譲り受ける予定で、基本は後方勤務になって前線に出る機会が下がるから大した問題にはならない。しかしなのはは逆で、むしろ本格的に前線に出るだろうから疲労が溜まりやすくなり、不測の事態で撃墜する危険が一気に上がってしまう。いつか無理がたたって兄様の後を追ったりしないか、かなり不安だ。
ユーノのおかげで事態をおおよそ把握できた私はなのは達の見舞いに行く彼と別れ、聖王教会へと足を運んだ。病院は大勢の怪我人で病室が飽和しているため、教会本部の多くの部屋も治療室にあてがわれている。廊下にもシーツを敷いて安静にしている者達が多くいる中、私は奥の執務室で被害総額などの報告が書かれた書類を読んでいるカリムとシャッハへ会いに行った。
「あら、いらっしゃいリインフォースさん。少しだけ待っててね、すぐ片付けるから」
「後でこちらから出向こうと思っていたのに、わざわざ来て下さったんですね」
「はい。主はやての下に急ぎたい気持ちもありますが、その前に知りたい事を知っておいた方が良いと思ったので」
「ああ……カリムの預言、ですね。こちらもその話をするつもりでおりました」
「あともう少し……よし、書類の確認終わり! ……それで、この預言ね。
【時と狭間の果てより舞い降りし月と暗黒の戦士 異なる大地に満ちた闇をその身を以って浄化し 小さな太陽を目覚めさせん されどその身に秘められた深き慈愛が絶望に染まれば 戦士は破壊の狂気に飲まれ 総ての希望は虚無へ回帰す 天上
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