継承編 決起
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を漏らす。
「……なぁ、王様……」
「なんだ?」
「サバタ兄ちゃんは……死ぬのが怖くなかったんかな……」
「戯け、誰だって死は怖いに決まっておるだろうが。おくびにも出さなかっただけで、サバタも少なからず自分に死に対して思う所はあったはずだ。だがな……彼は人間として生きた証である我らや貴様らのために、見えない所で死の恐怖を克服したのだ。去った後もできるだけ我らに気遣わせないようにな」
「…………」
「まだ納得がいかんか?」
「……ごめん。正直な……」
「頭では理解できても、やはり心が受け入れるには時間がかかるか。まあいい……小鴉、貴様にマキナから伝言がある」
「マキナちゃんから?」
この我を伝言役にするとは、案外マキナも図太い事をするものだと思いながら、目を覚ました時に彼女が頼んできた事を口にする。
「『お互いに大切な人を失って、気持ちが混沌として言葉じゃ表せないと思う。このままでは前に進んでも、サバタ様が示してくれた教えを守れないかもしれない。私も八神も未来に歩き出す前に、この気持ちに整理を付けるべきだ。八神……これが最後だ。闘いは終わったが……私達の解放はまだだ。ファーヴニルとの未来を賭けた戦いは終わった。最後は……個人的な決着をつけよう。12月25日、午後10時にサバタ様が消えたあの場所……ミッドのシェルター前広場で待つ』だと」
「まるで挑戦状やね。確かに言葉を交わすのも大事やけど、今の私達じゃ余計な火種を増やすだけになる。もう私達は選んだ道が違うのだから、せめて禍根を残さないように感情をぶつけるしかない。これがなのはちゃん流のお話、って奴か……」
「なんか違くない!? 私のお話って、そういう意味じゃないはずなんだけど!?」
「え? なのはのお話って、普通こういう意味じゃないの?」
「フェイトちゃんまで!? も、もしかして……皆もそう思ってたの……!?」
『何か違うのか?』
「えぇ〜……なんかショックだよ……」
高町なのはがベッドに手を突いて落ち込むが、自ら蒔いた種なのだから我にはどうでも良い。
「今日は23日だから、決闘は明後日になるのか。局員が模擬戦などを行う訓練場とかでは……駄目そうだな。その時刻の間だけ、結界を張る許可を出してもらうか……」
クロノがそうやって街中の魔法戦に備えた準備を考えているが、どうもマキナは魔法戦を行うつもりではない気がする。ま、真相は当日に判明するだろうから、今は万が一に備えて場を整えてもらおうじゃないか。
「……王様、マキナちゃんに伝えて。“受けて立つ”って」
「承知した。用事は済んだ事だし、我らも帰らせてもらう。シュテル、レヴィ、行くぞ」
「わかりました、王」
「じゃあ、またね
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