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リリなのinボクらの太陽サーガ
継承編 決起
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と兄様が意図して教えなかったとはいえ、その唐突な別れは歴戦の戦士である彼女達でも理解が追い付かないのだろう。ただ、主はやては私達の想定よりショックが大きく、この状態では時間で解決できるのか不安が残ってしまう。兄様との死別だけでなく、シャロンを犠牲にしてしまったのが更に傷を広げてしまったらしい。

「僕も……まさかシャロンが犠牲になるなんて思ってもいなかったんだ……。あんな辛い出来事を二度も味わって、それなのに異次元空間に飲み込まれるだなんて……救いが無さすぎるよ……」

「私もだ……私はまだあの少女に何も償えていない……。なぜあの場に行けなかったのか、なぜ救えなかったのかと思うと、胸が張り裂けそうで辛いよ……。兄様、シャロン、アクーナの人達、この戦いの犠牲者達……いったい私達はどれほどの命を犠牲にして、生き残ってしまったのだろうか……」

「確か管理局の公式発表では局員の死者は300人弱だって言われてて、最初の破壊光線で撃沈した戦艦の乗組員がほとんどの数を占めてる。他は反撃の怪奇光線や体当たりなどでやられた人達だよ。尤も、なのはが都市部に二発目の破壊光線が撃ち込まれるのを止められていなかったら、死者の数は市民を含めて一気に数万まで跳ね上がっていたらしいよ」

「そうか……。それで話を戻すけど、マキナの方は大丈夫なのかい?」

「マキナもその時は錯乱状態になりかけたんだけど、傍にいたはやて似の少女が咄嗟に手刀で彼女の意識を奪ったんだ。それでサバタさんの仲間の彼女達がラプラスに暗黒剣と一緒に彼女を運んで、持参してきた巨大な質量兵器を外付けの格納庫に戻した後、ラプラスごと帰ってしまった。多分、彼女達は管理局を信用していないから、何処かの拠点に戻ってから自分達の怪我を治療して安静にするつもりだと思う。実際、サバタさん達がファーヴニルの角を破壊するのを身を張って協力しているし、マキナも一人でラタトスクの足止めをしていたから、全身にかなりの傷を負っているらしい」

「たった一人でラタトスクの相手をか……どれほどの激戦だったのか、想像もつかないな……」

「とりあえずその後の彼女達の行方はわからないけど、十中八九はやてに憎悪を抱いてるに違いない。リインフォースの前で言うのもなんだけど、はやてのせいでシャロンを失ったようなものだから……」

「下手すれば復讐者になり兼ねないって事か……主はやてとマキナが敵対する光景なんて、そんなの私は見たくない……」

「僕だってそうだよ。サバタさんが命をかけて守った人達が互いに憎しみ合うのは、あまりに哀し過ぎるよ……」

大切な人を失った痛みは同じなのに、そうなった経緯が互いに憎しみを駆り立ててくる。どちらが悪い訳でもないのに、いくつもの要素が合わさってこんな間柄になってしまった。あまりに辛くて……
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