綻びの聖剣
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、魔物が住んでるんだ」
「うーん。見当たらないね」
千里眼に慣れ始め、傘繭の探索を始めてから2時間が経過していた。
女の子一人で移動するならこの辺が限界の筈なんだが、少女の姿は見当たらない。
千里眼の倍率を上げたり下げたりと色々、探索法を変え探索を続けているが手掛かりすら見付からず……異常事態と判断するも影に助け乞うのも尺だ。なら、自分の力で自分の魔法で探さねば! 気合を入れ探索を続行する。
―――色で見分けるね……なら、ここら一体の色を識別して彼女の色を探し出すって事だ。
単純な事を忘れていた。この魔法の特徴は魔法を物を人間を色で識別する魔法だと。なら、傘繭の色を探し当てれば良いんだ。彼女の色だけを探し出すんだ。
―――――――見えた。
傘繭の色……青色で弱々しい色。
……なんだ、案外簡単に――――…嘘だろ。
「アイツ、なんでそんな奴の隣に居るんだよ!」
あの色はヤバイ。最悪の色だ、アレは触れちゃいけない色だ。
厄災の色…千里眼に目覚めて数時間しか経っていない藤宮にも理解できる。
それなら何故、傘繭はあんな奴の隣に居るんだ? 千里眼なら解る筈だ。
人間の造りあげた未踏の領域。
例えるなら司波 達也。
例えるなら無月 零。
それの類に含まれる物体―――――人間じゃない。アレは人間が触れちゃいけない未知の領域だ!
「たくッ!なんでこんな事に!」
焦り…普段の藤宮からは考えられない形相で対象物を睨み、座標を計算する。
圧倒的な計算力を持って魔法を行使し圧倒的な発動速度で魔法式を何重にも重ね、魔法から別の魔法に変換させ魔法を変換する。
ある意味、未踏の領域を犯した魔法だ。それを魔法と呼ぶには些か疑問を生じさせるが…禁忌を犯した魔法、それを知って藤宮は対象の存在だけをこの世界から消し去るのだった。
吸血鬼もどきは魔法を侮辱する魔法師だった。
元は人間だった吸血鬼もどきは人生の大半をとある施設で過ごしている。
その施設こそ魔法を侮辱する魔法師を吸血鬼に変えた元凶。誘拐や価値を失った家畜を買取、実験する国から認められた世界から否定された施設で彼は育てられ改造された。機械を使わない合理的な人間改造主流は薬漬けだった。もっとも簡単で一般的な方法でもっとも残酷な方法で行われた人体実験で得られた結論、それこそ生きる屍《吸血鬼》だった。
理論的には可能とみなされ現実では不可能とみなされた吸血鬼を生み出す実験の殆どは失敗した。
だが、少なからず成功例の様なサンプルは完成した。
そう、完成した筈だ。
無限の回復能力に強靭な肉体。
人知を超えた生命体。それを吸血鬼と呼ぶなら成功例達は何者なのだろうか?
疑問の連
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