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魔法科高校の有能な劣等生
綻びの聖剣
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える少女…………千里眼を解いたのは間違いだった。
「ァ……ェ…………ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
 人形の物体だった。
 それは天井から降ってきた。
 傷だらけの肉体に腐った腐敗臭……傘繭は口を手で抑え吐気を抑える。
 human・dead・vanbaiya 【人口吸血鬼】の失敗作。
 それは人口吸血鬼の失敗作だった。不完全な吸血鬼……決定的な弱点を兼ね備えた屍は傘繭に襲い掛かる。
 傘繭はそれを回避、千里眼を発動し建物の全体構造を把握する。
 興味本意で入り込んだ施設……中身の構造は案外シンプルだった。道筋は解った……だが、アレは追ってくる。
「こっちくんな!」
 自身の恐怖を忘れさせる様に傘繭は叫んだ。
 全力疾走で走り逃げる。千里眼で最短ルートを把握し構造物を利用し隠れながら進むと……不思議な色を発見した。
 その色はいきなり現れた変な奴と似ている……でも、普通の人間の色も混じった混合色は苦しそうだった。
 ―――アレの仲間? でも、人間の色だ。
 ゆっくりとその混合色の居る部屋まで近付き、ドア付近に到着した。
 パスワードを入力する簡易タイプ……なら、私でも開けられるかも。
【千里眼】なら読取れる……549…………269。
 カチッと鍵は解除され恐る恐るドアを開ける。
 その部屋は真っ白な空間で他の部屋より断然綺麗な造りに成っていて証明灯で部屋全体を照らされていた。
 変わった部屋だ……色んな設備を整えている。あからさまに変だ、侵入した時から何かの施設とは踏んでいたがこれは覗いてはいけない物を覗いてしまったのかも知れない。
「……だ、れ」
 部屋の済で固まった少年…………先程、発見した混合色の人間だ。
 それの呼吸は不規則で傘繭を恐怖している。人間を恐怖する目付で傘繭を見詰めると傘繭は笑顔で応えた。
「私は傘繭 麻花奈……貴方は?」
 少し……ほんの少し警戒を解き少年は口を明け。
「血祀…………血祀…………罪咏」
 ――――血祀……?
 聞き覚え有る名前だった。
 だが、思い出せない。
「ここで何してるの?」
「…………」
 無言だった。
 いや、察するべきか。この状況を見て理解出来ない程、傘繭も馬鹿ではない。
 すぐさま千里眼で周囲を見渡し少年に手を差し出す。
「ここは危険だから逃げよ」
「駄目だよ」
 少年は首をよ横に振り下を向いた。
「逃げちゃ……駄目なんだ。僕は、逃げちゃ駄目なんだ」
「なんで? こんな危険な……」
「約束したから……」
 少年は拳に力を込め。
「約束したんだ……ここで待ってるって。
 僕はずっと待つって決めたんだ。だからここを離れない」
「何、言ってるの? ここは危険なんだよ?」
「知ってるよ……お姉さんこそ逃げた方がいい」

「ここには
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